【6月4日 曇り】
【6月4日 曇り】
6月に入ったら、学生時代の友達とも、先輩セラピストのレナさんとも、そしてお客さんとも共通にして出てくる話題がある。
「6月やん~梅雨いややねんな~」
「もう6月なんよね~上半期ももう終わりなんて信じられへんわ~」
と。
ジューンブライドという話題も少しはあるものの、どうしてもマイナスなワードが口をついてしまう。きっと6月には、ちょっとネガティブな妖精がしゃしゃり出るんだろう。ついでに7月に意地悪して泣かしちゃうようなヤンデレタイプに違いない。
なんて、馬鹿なことを考えながら信号待ちをしていると後ろから声をかけられた。
「お姉さん、仕事帰りっすか~?」
個性的でカラフルなスーツを着た髪色の明るいお兄さんが前に立ちはだかる。ホストさんなのかお笑い芸人さんなのか。質の悪いことに信号待ち中のわたしは、スルーして歩き出すことは出来ない。少なくとも後25秒は。
「おーい、無視しやんといてーや。一緒に飲みにいかへん?」
こういう時の必殺技、スマホを触る。
ただし相手に画面をのぞかれる可能性もあるので発動するタイミングは要注意。
わたしは無意味にインスタを開く。地元の友達がネコちゃんの画像をあげている。かわいい。BGMは知らないお兄さんの「いいお店あるねん~、よかったら~」
よし、あと残り15秒。
「今から家帰るん?俺焼き鳥とかめっちゃ好きやねん、」
見逃してた、スタバの新作始まってるんだ行かなきゃ~
「なあなあさみしいから、返事して~や」
それにしてもモデルさんはかわいいな~、フラペチーノ持ってるだけで映えすぎ!
信号が青になった。
颯爽とお兄さんを置き去りに進むわたし。
Winner!!!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます