episode19 秘密

家に帰宅し、妹に挨拶をする。


「ただいま。」


「あ、お帰りお姉ちゃん!今日も遅かったんだね…最近私より帰るの遅くない?気をつけてね!」


「ごめんな…。気を付ける」


ああ、今日の疲れがこの妹の笑顔で養われる~。いかんいかん僕がシスコンになるところだった。いや、もうなっているか。このことがバレたら終わりだな…。そう僕の気持ちを隠しながら、妹と料理を作り始める。しばらくすると、妹が


「痛っ!」


と包丁で手を切ってしまったらしい。


「大丈夫か?今直してやるから。回復(ヒール)」


と僕は妹の手を治療する。この能力って便利すぎんだろ…。と妹を見ると、驚いた顔でこっちを見ていた。


「ええええええ?!お姉ちゃん能力使えるようになったんの?!」


「それを話すと長くなる。飯を食べながら話すから、少し待っててくれ」


そうして僕は少し早く料理を終わらせ、食卓に料理を並べた。


「いただきます。」 「いただきます!」


と言って食事を始めた。能力のことは妹には話していいよな…身内だし。ただし情報を絶対に漏らさないようにしないと…

そうすると、


「それで、何でお姉ちゃんは能力を使えるようになったの?」


と妹が話を切り出した。そして僕は迷いながらも話す。


「ああ、女の子の体になってから再検査を受けたんだ。そしたら、なんか能力値EXで全知全能(オールマスター)って能力の最強になってた。」


「??能力値EX?全知全能(オールマスター)?頭がこんがらがるよ~!」


と妹は食べていた手を止めて必死に考え出した。可愛い。まぁ急に最弱が最強になったのだから戸惑って当然だ。

しばらくして、妹が考えていたことが解けたらしく俺に問いかける。


「お姉ちゃんが最強って、私幸せ!」


「おm…麗が幸せなら良かった。」


久しぶりに妹を名前で呼んだな。小鳥遊 麗。それが俺の妹の名前だ。訳あって、お前って呼んでいたが。


「久しぶりに下の名前で呼んでくれた嬉しい!ルイお姉ちゃん!」


「やめろって…照れる…。」


「あーお姉ちゃん、顔赤くなってる!可愛い~!」


こう二人で名前の呼び合いをし、笑いあっていた。この雰囲気でこの話をするのきまづいたな。でも大切なことだし話しておかないとな。


「麗、大切なことがある。僕の能力が世間にばれたら、おそらく国に潰される。だからこの事については。秘密にしておいて欲しい。」


「お姉ちゃんが国に?!分かった!黙っておくよ!」


「ありがとう。」


と、妹との約束も出来たところで。僕は夕食を食べ終えた。

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