第60回「2000文字以内でお題に挑戦!」企画(688文字)
美しい星々
おじいちゃんの影響で星が大好きなアキラ君は、夏休みの工作にお母さんと一緒に プラネタリウムを作りました。一緒に作ったと言ってもお母さんがしたことは空き箱を用意することと、針を使う時の見守りです。黒画用紙はアキラ君が自分で買いに行きました。
星の図鑑を見ながら黒画用紙に印をつけ、丁寧に穴を開けていきます。途中で休憩をしながらアキラ君はプラネタリウムを完成させました。
お母さんが今まで見たことのない熱心さというくらい、アキラ君は集中して作って いました。出来上がったプラネタリウムをおじいちゃんやお父さんに見せると、本当の星空みたいにできたと褒めてくれました。
夏休みが終わりプラネタリウムを提出すると、先生もクラスメイトもみんなすごいね、綺麗だねと褒めてくれました。
とてもよくできているということで他のクラスの人たちにも見せてあげることになり、会議室にプラネタリウムは置かれました。見るとみんなは口々にすごいねと言い合いました。
放課後、先生はプラネタリウムを確認し会議室に鍵をかけて帰りました。次の日、先生が鍵を開けて会議室のに入ると、プラネタリウムはなくなっていました。
プラネタリウムが盗まれたと大騒ぎになりました。みんなで学校中を探しましたが見つかりません。誰が連絡したのか警察官まで来ています。防犯カメラを確認しても鍵はかかっているし、怪しい人の出入りはないし、どうしてプラネタリウムがなくなったのか分かりません。
きっとみんなには分かりません。
だって、プラネタリウムを持ち去ったのは、新しい宇宙を作るのが面倒になった神様だったのですから。
どこかの宇宙の創造神はアキラ君なのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます