アンチ対策 題材「SNS」

 私はエックス(旧ツイッター)にアカウントを持っている。

 日頃ひごろ、思いついたことや、私がイラストを描いてはアップロードしていた。

 特にイラストを投稿することが多い。

 特に人気にんき漫画まんが作品さくひんのイラストなどを描いて投稿すると、フォロワーが増える。

 でも、一番見てほしいのは、私のオリジナルイラストだ。

 今日は可愛い女の子のイラストを投稿する予定だ。

「よし」と私は独り言を言ってからスマートフォンでエックス投稿した。

 1万フォロワーになってからは、リポスト(旧リツイート)やいいねの反応が多くなった。

更にはリプライ(返信へんしん)も着くようにもなった。


『かわいいですね』

『めっちゃ好きです』

『オリジナルなの?何かの焼き回しみたいw』


いくつかあるリプライにアンチのようなものがあった。

「何かの焼き回し」というのは明らかにアンチだ。

このリプライを寄越よこしてきたアカウント名は「ハネ」。

オリジナルの作品を投稿すると大体、アンチコメントを寄越してくる。

 これまでに来たコメントは以下の通りだ。


『今時、その服古いくない?それに絵柄が古い』

人気にんき漫画まんがの真似ばっか』

『その顔のバランス悪くない?奇形?w』

などなど。


 私はほとんどハネのリプライを無視している。

 ハネをブロックするかいなか、迷っていた。

 その理由はもしかしたら、ハネは少しでも私の作品を良いと思ってくれているかもしれないからだ。

 ハネは私のアカウントをフォローしている。

 私は友達の伊田いだらくに相談することにした。

「私のエックスのアカウントにアンチリプライする人がいるんだけど。ブロックするか迷ってるんだ」

「そうなんだ」

「私が何か投稿する度にアンチリプライしてくるの」

「うざ。それ大体がわざとだよ。アンチリプライの殆どが意味ないけど。たまに良い批判もあるかもしれんけど。アンチって思えた時点で駄目だめなコメントだよ。嫌な気分にさせたいだけっていうか。ブロックするべきだね」

 楽の言う通りだ。さっさとブロックするべきだったかもしれない。

 少しでも悪いかなとか、関係ない。

「やっぱ。そうだよね」

 楽は私の声のトーンが少し下がってるのが解った。彼女は少し呆れた様子だった。

 私の思っていることがわかっているようだ。

 楽は私への推察を言い始める。

「私のファンかもしれないからブロックできないって感じ?」

「う………うん」

「そっか。優しいね。それがあなたのいいところだよ」

 私は楽のその言葉に少しだけ嬉しくなった。

 けれど。ブロックはやっぱ気が引けた。

「ありがとう。やっぱブロックは」

「そうか。解った。じゃあ、アカウントをミュートとか、その人にやんわり言うとかは?」

「やんわりって?」

 楽のアドバイスは参考になる。楽のアドバイスをしっかり聞こうと思った。

「そうだね。その人に返信したくないなら、「私への苦情を言う人はお星さまになってほしい」とかおすすめ。本心では「お前、いい加減にしろ」って言いたいかもね。でも、それはだめ。または「苦情は受付ません」でもいいよ」

「お星さまになってほしいとかすごい」

「いや、だって。本心ではいなくなってほしいって思うよね。消えろって暴言じゃん。なら、お星さまになってくださいならやんわりしてるじゃん」

「いやーすごいなぁ」

 改めて楽の発想に驚いた。でも、「お星さま」って暴言にはならない。

 でも、結構キツめな感じでパンチが効いてるなと思った。

 楽の毒舌めいた発想は面白い。楽の友達で本当に良かったと思った。

 彼女のことは友達で一番好きだが、敵に回したくないなと思った。

了 33:13 題材SNS



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る