第22話 喰らう者という者
「狩りですか?」
「そ、狩り」
「組み手とか魔法の修行ではなくて、ですか?」
「うん、ルナちゃんはぱっと見基礎は出来てそうだからね。今日はそういった訓練をするより実地で色々と覚えてもらった方が良いかなって思ったんだ」
実地で色々とは、これから私は一体何をさせられるのだろう?
「わかりました。それじゃあ行きましょうか」
「その前にルナちゃんの
「良いですよ、
私が右手にイーターを召喚すると、サジさんはイーターをまじまじと見て言う。
「棍棒型ってルナちゃん、まだ初期状態で
「これって初期状態だったのですか」
「そうだよ、
言ってサジさんは私に背を向けると、そこには一張の白色の弓があった。
「ご機嫌よう」
そう言ってサジさんの
「こんにちわボーンさん、ボーンってことはサジさんの
「そうですわ」
「因みにルナちゃんの
「私の
「そんな
「そんなことしませんよ。ね、イーター」
「……」
「黙るなおっさん!!」
「おっさんではない!!」
「まったく、ほら、あんたもサジさんとボーンさんに挨拶しなさい」
「――よろしく頼む」
「よろしくね、イーター君、で良いのかな?」
「俺は君とという柄ではない。イーターと呼び捨てにしてもらってかまわない」
「そう、それじゃあイーターよろしくね」
「わたくしは呼び捨てが苦手なのでイーターさんと呼ばせてもらいますわ」
「ああ、そう呼びたいのならばそれでかまわない」
「それで、話は戻りますけど私のイーターの初期状態ってのはどうすればサジさんみたいに形を変えられるようになるのですか?」
「それはいつでもできるはずだよ。けど、」
「けど?」
「さっきも言ったけどまずはルナちゃんとイーターが対話――相談をしあって決めた方が良いと思うよ」
「それはどうしてですか?」
「一度形を決めてしまったら変更が効かないっていうこともあるけど……ルナちゃんって普段はイーターをしまいっぱなしにしているでしょ」
「はい」
「それじゃあ駄目だよ。
「
「おい」
イーターが何やら文句も言いたげにしているが今は無視、私の疑問の解消が先だ。
「別に必ずしもそうとは言わないけど……ルナちゃんはイーターのことが嫌いなの?」
「少なくとも嫌いではないと思います。時々いいアドバイスしてくれますし」
イーターが調子に乗らないように付け加えるように言う。するとサジさんが
「ルナちゃんはまず
「違うんですか?」
「全然違うよ、
「相棒……」
「相棒を道具扱いする人をルナちゃんはどう思う」
「最低な人だと思います」
「だったら、答えは出たんじゃない?」
イーターは相棒か、言われて気付くのもどうかと思うがサジさんの言うことに間違いはないと思う。だったらするべきことがある。
「イーター」
「なんだ?」
「今まで道具扱いしててごめんなさい」
言って私はイーターに頭を下げる。これはこれから共に戦かうことになる相棒へのケジメだ。こうしなければ私たちは前には進めない。
「ルナ、頭を上げろ」
「許してくれるの?」
私は頭を上げてイーターのことを見つめる。
「許すも何も俺は何も怒っちゃいないさ」
「だって私イーターのこと道具扱いしてたんだよ」
「そうだな、だがお前は俺たち
「あ、ありがと」
イーターって案外まともな性格をしていたのか、これを知ることが出来たのもサジさんのおかげだね。そんな私たちの様子を見てサジさんはウンウンと頷いた。
「さ・て・と、ルナちゃんがイーターとの仲を深めたことだし狩りに出発するとしますか!!」
「「はい(おう)!!」」
こうして私とイーターは互いに相棒としての一歩を踏み出したのであった。
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