第1章 人工神格製造

第1話 目撃者



 血まみれの部屋をある少女が覗き込んでいた。


 少女の伏線は回収されない。


 これからずっと。


 だから分からない。


 少女が何者であったのか。


 それに気付けるのは、神だけだろう。





 覗き込む少女が一人。


 月色の瞳の少女が、室内の惨状に目を見張る。


 そこにあったのは血だまり。


 そして死体。


 その死体にすがって嘆く少女。


 目撃者は、その光景を忘れてしまう。


 夢で見た光景だと判断して。


 だから、それは、どこにも意味をなさない。


 何にも発展しない。


 特に意味のないエピソードだった。


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