第79話 89話 魔石売り
89話 魔石売り
冒険者は別に商店が盗賊団が裏で経営しているのは気にしてない様子で買い物をしていた。
集めた物を売りさばき利益を上げているようで、しかも店員は獣人であったから安い給料で働かせているのもあり、利益を得ていた。
その方が利益を高く儲けれれるわけだし、あくどい商法するなと感心した。
感心してはいけないが。
ゴブリンの皮膚を売っている店を抜けて次に目についた店に寄った。
そこは店構えからしてアクセサリー店。
通りに面して沢山並べられている。
指輪や、ネックレスも揃っており、見てるだけで綺麗だなと思わせられた。
「いらっしゃいませ。指輪はお安くしますよ」
「ちょっと見てただけなんでね」
奥から店員が接客しに来て、頭に耳の生えた人狼の娘であった。
会った時はシュナリを思い出してしまったが、よく見ると別人であり俺よりも年上のように思えた。
綺麗な人で立ち寄って正解でした。
「この指輪はいくら位しますか?」
「知能の首飾りですね。身につけると魔力量が少し増えるので便利です。見た目も可愛いので女性向きですけど。男性でも問題はありません」
「そうですか、では一つ買います」
「ありがとうございます」
購入する気は全くなかったのに、間近にある綺麗な顔に言われて、購入してしまった。
まぁそれほど高くはなかったが、アイテムボックスに入れておいて置くことに。
綺麗な店員でラッキーと思ったのが甘かった。
ここの品物も同じようにトカチ盗賊団から仕入れたのだろうか。
「ここにある品物は、多くあるけどどうやって仕入れたのかな?」
「そんなのは言えるわけないでしょうが! 私も商売人なんだから」
仕入れ先を尋ねただけで急に態度が変わりプンプンしだした。
きいたのが不味かったかな。
「ごめん、そんなつもりじやなくてさ」
「うーん、同業者ではなさそうだし購入してくれたから特別教えてあげます」
「あ、どうも」
意外に簡単に教えてくれるようだ。
「この町の商店は全てトカチ盗賊団の息がかかってる。そんなのは町に初めて来た冒険者も知ってるし、あえてきかないのさ。国王軍の人達も来たことがあった。けど何もなく去っていった。当然国王軍の人はトカチ盗賊団が関わっていてこの町を取り仕切ってると知ってて去ったのよ」
「どうしてかな。盗賊団は国王軍にとって邪魔な存在だろ」
冒険者を食い物にするやからなのだから、征伐するのが普通の考え。
「トカチ盗賊団は金には手を出しても国王には反逆する意思はないのです」
「金儲けはしても、逆らうことはしないと」
「そうです、だからトカチ盗賊団を知ってて見過ごしてます。国王軍も全ての盗賊団と戦いあっていては、キリがないし兵力かいくらあっても足りなくなります。大事な時に兵力が足りないといったピンチになるよりは、見て見ない振りをしているのです」
「これじゃトカチの思うままが実現されてるわけか、誰も逆らう奴はいないよね」
「いるわけまりません。トカチ様あっての私達ですから」
「例えばこの品を盗んだ奴がいたとする、そいつはどうなっちまう?」
「盗賊団の団員がすぐさま飛んで来ます。命までは取らなくても金品は全て没収されるでしょう。そしてもう二度とこの町には来なくなります。まぁそんな愚かな行為をする者はいませんが」
「もしその者が国王軍の者だっとら」
同じように扱うのか。
「それは私の口からは言えませんよ。わかるでしょ」
「そうですよね。変なこときいてすみません」
ちょっと突っ込んだ話をし過ぎたようで、これ以上はきくのを止めるのが話しの流れからわかった。
「私は獣人だから、ここで働けてるだけで幸せなのよ。だって獣人というだけで仕事につけないし、ご飯も食べれなくなる。だからトカチ様には感謝してるわ」
「どうも、ありがとう」
購入した知能の首飾りは役に立つ日が来るまでしまっておく。
誰も逆らうことなく、むしろ感謝してる獣人もいるようで、それは意外な返答であった。
なにせチユは逃亡するくらいだし、トカチの印象は人それぞれのようだ。
少なくても仕事につけてる人は不満はあっても逆らう必要はないのが現実なのかもしれない。
町をブラついて行くと他にも商店はあり、回復薬や毒消し薬のような薬も売られており、冒険者はまとめて購入していた。
ターヤに売られてた物は全て売られており、値段も安く設定されていたのは獣人を安い給料で雇っているのも関係していた。
さらに路地裏に行くと驚いたことに魔石が並べられている。
それもただの魔石ではなく、俺も見たことのない魔石であるから、色々と見入ってしまった。
「いらっしゃいませ。ウチの魔石は普通の魔石とは違うよ、ボスの魔石さ」
「ボスの魔石ですか?」
ボスの魔石がなぜ売られているのだろうか。
てっきり、珍しい魔物の魔石だろうと思い込んでいたので店員さんの話しに耳を傾けることにした。
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