第20話 対分裂怪物戦 〜雅人、ビャクヤside〜

「ごめんね、雅人くん」

ビャクヤが分体を相手しながら雅人に話しかける

「何がだ」

「澪ちゃんと行きたかったでしょ?」

「……いや、今回ばかりは澪の方が相性がいい」

「そっか、なら私達はこっちに集中しよう」

そう言って、大量の分体と本体の分裂体の渦ね中で再び鉄剣を握り直す。

「あぁ、了解した。」

雅人も、黒曜斬鉄を再び握り直した。

「来るよ!」

その掛け声と同時に分体が一斉に突撃する。

「ッ!」

「このっ!」

突撃を回避して攻撃を繰り出す。

が、

「はやくて当たらないっ!」

かなりの加速をしながら突撃され、攻撃が当たらない。

「ビャクヤ!魔法は使えるな!」

「う、うん!」

「炎と風以外なら何でもいい、分裂した奴らを足止

 めしろ!当てなくていい、そっちでヘイト取

 れ!」

「わかった!」

ビャクヤが掌に出した渦を巻く球体を分裂体のスレスレに射出する。

それを感じ、分裂体のヘイトがビャクヤに集まる。

(よし、あとは分体を……)

その間に突撃してきた分体に飛び乗り、他の分体に斬りかかる。

斬り殺したら別個体へ、更に斬り殺したら別個体へを繰り返す。

分体がみるみるうちに数を減らしていく。

「よし、後は……」

ビャクヤに視線を送る。

5、6体の分裂体を相手しているが、攻撃を当てられない以上、倒しようが無い。

「ビャクヤ!体力保つか?」

「無理、だねっ!」

「了解した。」

ビャクヤが相手する分裂体の一体に走りざま蹴りを入れる。

「ビャクヤ、今のうちに休んどけ。相手は俺がす

 る。」

「う、ん……ありがとう……」

黒曜斬鉄を鞘に納刀し、拳を構える。

「さぁ、来い」


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