5
今年のクリスマスは暇だ。
女が居ないとこうなるのか。
前に聞いて面白そうだから一度行ってみようと思った握手会なるものに参戦する。
いったいどんなものかまるっきり想像が出来ない。
券が必要で、枚数で時間が決まるという。
頼んで取ってもらった。ちゃんと自分だという証明も必要らしい。
サブローたちが好きな二人を取ってもらった。
2枚づつだ。これだとちょっとしか時間がないそうだ。
まあいい、近くでどんな子か見てやろう。
サブローとイチローさんは好みが一緒らしく同じ子だ。
オルト君は別の子だ。
3人と落ち合って会場まで行った。
でっかいところだ。
普段は、ビジネスショーとかやる場所だ。
会場の周りにすでにおおぜいが集まっている。
俺と同じような年代も結構いるじゃないか。
いかにもってやつもいるが、こいつがほんとにアイドル好きなのかってのもいる。
普通にその辺にいるやつだ。思ったより普通な人間が多くて驚いた。
何かを並べてるところがある。写真だ。物々交換とかするのだろうか。
どこも相当な枚数だ。
的屋のあんちゃんみたいのが居たりする。
会場に入るのはなにやらものものしかった。
いろいろチェックされる。
さて、まずはサブローとイチローさんの好きな子だ。
なるほどまあかわいいな。金を払って握手して話すだけってのも不思議な世界だ。
俺はもうひとりの子の方がよかった。なんだろうちょっと凛として芯のある子だと思った。
その子の方が人気があった。大勢並んでいた。さもありなんと思ったよ。
サブローによるとアイドルというのは完成形を求めるんじゃなくて、何もないところから何かを得るプロセスを楽しむんだとか言う。
たしかにまだ何物も得ていないようなうぶで無邪気な感じはふたりにあったかもしれん。
俺は完成形の方がいいな。
でも面白かったからもう一回ぐらい来てもいいかなと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます