第2話 集団登校

埼玉舞さいたま まいside】


 恭介くんを中心に周りを私達が固める。

 他の女の子を寄せ付け無い為に!

 これ以上、ライバルはいらない。


 恭介くんは、よく女の子と間違われるくらい綺麗な男の子だ。

 だから、他の女の子も恭介くんを狙っている。

 恭介くんの貞操は私達が守るわ !


 恭介くんは、おとなびている。

 同級生男子みたいにガキっぽく無い。

 そう、あれは……小学一年生の頃に真弓を庇って恭介くんの頭にボールが当たった時から彼は変わった。

 それまでは、普通の小学生一年の男の子らしく落ち着きの無い子だったのに、あの日を境に落ち着いた優しい大人の人……お父さん……ううん、違う……お爺ちゃんみたいな……って、何考えているのよ、わたし !

 恭介くんは、わたし達と同じ小学六年生。

 四月からは、同じ中学に進む男の子なのに……


 そういえば変わったといえば、恭介くんの従姉妹の冬華ちゃんも、あの日を境に変わった気がする。

 それまでは、普通の小学五年生の女の子だったのに……やはり、あの日を境に……わたし達より年上のお姉さんみたいな雰囲気に変わったわ。

 二人の間に何か有った訳では無いよね。

 いくら、最近の小学生が進んでいるとはいえ、不純異性交遊はいけないんだからね !


 あっ、校門が見えて来た !

 わたし達が通う、国立関東ときめき学園が !


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