悲劇の悪役にはなりたくない


僕は悪役ヒーロー

正義を信じる正義の味方


信じたものには裏切られ

守りたいものだけは増えていく


水をめいっぱい掬っても

後に残るのは極僅か

指先から零れ落ちるかけらを見つめ

合わせた両手を覗き込む


唯一残った欠片正義は悪らしい

何も無い僕はただの悪役

悪いやつの話なんか誰も聞いちゃくれない


でも


悲劇の悪役なんて真っ平御免だ

同情されるほど腐ってない

同情されるほどの理由もない

同情されるほど驕ってない


僕はずっと悪役ヒーロー

最期の最期に幸福を願って


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