第29話 親父の最後!

あの日も暑かったと、みんな口々に言う。


「アイツはあの日も、笑いながら家を出て来たはずなんだ」

「そうだよ、遠征の日には朝から3宗派を回って無事に帰宅する事をお願いして、旅立つのがアイツの何時もの行動だった!」

「俺達の娘を見て、どの子がマサシの嫁に良いかと見定めてもいたはず」

3人の父親が言うと、ウチの母さんが。


「そうよね、何処の子が立つただの、喋っただとか言っていたわよ」

「まあ、賢そうな子やお転婆で将来嫁に来たらマサシを尻に引くとも言ってた子もいたっけね」

母さんとばあちゃんがしみじみ親父の言った事を話してる。

ただこの3人のうちお転婆で俺を尻に引く奴は誰なんだ?


「そして等々1ヶ月経っても帰る事は無かったな」

「あゝ、探索者はギルドに届けてダンジョンに潜るけど、おそらくは今言うプラチナのダンジョンに当たってしまったんだろう」

「あゝ当時まともな情報が無くって、探索者は行き当たりばったりでダンジョンに潜っていたからな」


「そして一年後アイツの潜った最後のダンジョンが、当時日本で最初のプラチナ認定されたんだっけな!」

「あゝ、ゴールドランカーが7組潜って1組が帰って20層以上を確認してどうにか地上に戻ったんだっけ!」

「今はスタンピード対策しか出来ないんだっけな、アソコは!」


そう日本最悪のダンジョン、首都圏外郭放水路!


水害対策で建てられた神殿が、いつの間にか横穴が出来て魔物が現れる様になり、ダンジョン化そこで日本政府が、上からコンクリートで蓋をしたけど、いつの間にか竪穴が出来てダンジョンが再発生した、消せる事の出来ないダンジョンだ!


「初期に潜ったアイツは調査の為に中に入った」

「帰らないから、探索者ギルドは行方不明者の捜索とダンジョンの調査を並行してゴールドランカー達にクエストとして、仕事を出したんだ!」

「フウ、その時も何も遺留物が無かったと言っていたっけね」


「そんな探索者など、マサシにやらせる事は出来ない、たとえ当代が認めたとしてもだ!」

「そうだな、それだけは認めたく無いな」

「私もそう思います」

男親達は全て反対!


「なら条件を出そう、どうだ権三達!」

「まあ探索者をやってもダンジョンに潜らない事は無いから、俺は聞かん!」

「俺もだな!」

「私も2人を支持します」


「先生聞くが、マサシは全員に手を出しているな?」

先生は真っ赤になって、頷く。

他4人も下を向いている。


そこに遅れてアオイの母親が入ってくる。


「皆さん遅れました、あれ全員お揃いですか?ゲゲ当代がいるよ何で」

「お前は少し黙ってオレ!コイツらとの話が終わらないんだ!」

「何の事です?アレ結婚がどうのと連絡で来たんですけど、主人も後からかっ飛んで来ますけど?」


「まあ良い、なら条件を言う、もう次代の若者をどうこう縛る事は出来ん!そしてお前達の娘も全てマサシの嫁となった!」

父親母親複雑な顔、1人を除いて!


「アレ?アオイの独占では無いの!それなら実験体に出来ない」

やはりアオイの親は恐ろしい!


「お前は黙れと言っているだろう」

ポカ、ついにばあちゃんの鉄拳がアオイの母親の頭に落ちた!






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