第6話 王族専用御殿医

「ゼン▪ロデス、ローデウス王国男爵!サンセット王国法衣貴族子爵に叙す!!」

「つ?慎んでお受け致します…」

 親父が呼ばれた理由、突然の昇爵にドギマギして、親父って変な受け答えしてる。


 ※『』とは近世フランスで官職購入によって貴族身分に叙せられた平民出身者をさす。

 ※ここで紹介する『』とはライトノベルの造語であって領地無しの貴族を言う、領地を持たない法衣貴族は『フォン』や『ド』を入れない決まりがあるそうだが、なろう発の単なるラノベルールである。

 拙作もラノベであるため、ラノベ創作貴族のルールに従うものであります。


「ロデス男爵令嬢、ロゼット▪ロデス!この度の働きの褒賞として、子爵に昇爵し子爵領を下賜する!!以後ロゼット▪フォン▪ロデス子爵を名乗れ!」

「有り難き幸せ!慎んでお受け致します!」

「ロゼット▪フォン▪ロデス子爵の役職は、王族専門御殿医である」


 この後細々とした説明があり、親父は法衣貴族子爵なので手当は年間金貨20枚だが、俺は領地持ち子爵金貨加算され30枚に御殿医手当年間金貨50枚、合わせて金貨80枚が毎年支給される。


 説明を受けて親父は帰ったが、俺は王妃様から感謝のお茶会に招かれた。

「命の恩人にやっとお礼が言えます!不治の病の完治有り難う御座いました!!」

 王妃様の第一声、俺の両手を取り深々お辞儀して言った。

「王妃様!勿体無いお言葉、聖魔法師として当然の行いでした、頭をお上げ下さい!」

「恩人様にはフランセットと呼んで欲しいです」

「フランセット様と呼ばせていただきますが、私をロゼットと呼び捨て下さい!」

「ではロゼットと呼びますが、代わりに私の事はフランと呼びなさい!王はそう呼んで下さいます」

「王妃様を…ではフラン様でお許し下さい!」


 たかが呼び名で、どっと疲れたよ!


 早速御殿医の仕事、フラン様の健康診断「健康そのもの、安心しました」

「ロゼットのお陰です!これからも宜しくお願いしますね!」


 お茶のお代わりしてくれたメイドが不自然な動き。

「貴女…腰痛を我慢してますね」

 探索の結果、椎間板ついかんばんヘルニアと診断、腰骨の修復をした。

「……御殿医ロゼット▪フォン▪ロデス子爵様、有り難う御座いました!腰の痛みがなくなりました」

「ついでに指の傷も治して置きました!お大事に」

 メイドは感激して、顔を赤らめて定位置に戻って行った。


 前世でケーキ、せめてシフォンケーキくらい作り方覚えておくべきだった、女性がする事全てにわざと目を向けなかった、クッキーなんて簡単なはずのものでさえ知らない、今更だが少し後悔したお茶会だった。

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