第30話新たな縁談2

 辺境伯家の三男。

 陸軍大尉。

 最終学歴、王立学園。

 年齢、21歳。


 プロフィールを拝見してロザリンドの兄君はラシード元義兄と同級生だったのですね。全然知りませんでした。


 それにしても、こんなに優秀な男性が婚約者なしとは。

 不思議なものです。

 成績も学園トップで卒業されています。

 これは文官であったとしても上を目指せたでしょう。




「お初にお目にかかります。ロザリンドの兄、アデルハイン・カルセドニーと申します」


 想像した通りの華やかな美男子でした。

 流石は兄妹。よく似ています。


「お会いできて光栄ですわ」


 こうして始まった見合いモドキは中々楽しいものとなりました。アデルハイン様の人となりを知る事が出来たのはとても有意義で収穫があったと考えても良いでしょう。

 ロザリンド、グッジョブです! 正直申しまして好印象です。ただそれは恋とかではなく、人として好感が持てたとかそんな感じです。まぁ、恋をして失敗した身としては慎重になるのも仕方ありませんわよね。でもアデルハイン様はロザリンドが仰った通り、お顔立ちだけで無く性格も申し分のない男性でした。そういえば「癖が強い」とロザリンドは仰っていましたが、とてもそうとは思えません。今日会ったばかりですからね。ただ、この見合いが上手くいっても結婚には踏み切る事は中々出来ません。そこのところをアデルハイン様はどう考えていらっしゃるのでしょうか?そこを伺ってみたいですが、不躾になりすぎますし。


 私がアデルハイン様の求婚を受け入れたのは半年後。


 ロザリンドが留学してしまって寂しかったからではありませんからね!勘違いなさらないでくださいね!!



「いつまでも貴女をお待ちします」と仰ったアデルハイン様に心打たれたのです!!!



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