命の天秤は無慈悲に動く

エクースの本棚

第一章 生きる意味を求めて

プロローグ:定められた運命

「......ここは?」


 見知らぬ場所だった。


 あたりを見渡しても暗闇ばかり。

 別になにかあるというわけでもなくただただ底抜けの虚空が広がっているだけだ。


 恐る恐る少し歩いてみるが何もない。

 そもそも自分の姿だけ見えるのも違和感の一つである。


 そんな不思議な場所にいて何時間経っただろうか。

 ぼんやりと何かを見つつ、俺はあることに気がついた。


 今更だと思うかもしれない。

 だが、それは俺「達」にとって大切な意味を持つ。


 この場所は「何もない」。

 つまりはもう変われないということなのだろう。

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