第3話 ダンジョン入りました

 準備を整えダンジョンの中へ入るとそこにはとても大きな草原が広がっておりなんと上には大空と太陽までできていた。


「これ本当にダンジョンの中か?まるで現実の世界のようだ。」


 草原には心地よい風も吹きまるで秘密基地ができたみたいな気持ちだ。見渡す限り草原が続きモンスターの姿もない。ひとまずここは後にして先へ進んでほかに変化したことがないか確認しよう。


 草原をまっすぐ進むとダンジョンコアのある金属の扉が見えてきた。扉をくぐり中へ入りコアの前に立つ。


【豊穣の庭が生成されました。ダンジョンのサポーターを設定してください。】


 目の前に半透明な板が現れいろいろな種類の中から選択できるようだ。日本で豊穣をつかさどるといえば、ウカノミタマだろう。いわゆるお稲荷さんのことだ。ということで狐種のサポーターを選択した。


【狐種を召喚します。】


 俺とコアの間に魔法陣が現れ、真っ白な人型の狐が召喚された。


「ども!召喚ありがとうございまーす。一生懸命サポートしますのでよろしくお願いしまーす!」


「お、おぉ。よろしく。」


「マスターのお名前を伺ってもよろしいでしょーか。それから私の名前を決めていただけるとありがたいでーす。」


「俺は、山下平原。お前の名前は・・・ウタマロだな。」


「わかりましたー。私の名前はウタマロでーす。では名前も決まったことですしー、このダンジョンについて解説させていただきまーす。まずこのダンジョンは攻略されたことで攻略者にとって有益なダンジョンとなりましたー。平原様は、豊穣を選択されましたので農作物や畜産など農業関連の恩恵が与えられまーす。ここで育てたものは従来の物より高品質かつ品種改良が好き放題できます。一緒に農業王を目指しましょうー!」


 農業王か・・・それもいいかもしれないな。都合のいいことに今は無職だしすぐに新しい仕事を見つけなければいけない状況でもない。ダメもとでやってみるか。


「農業をやるのはいいが種なんかは地上から持ってこないといけないのか?牛や豚なんか持ってくるなんて無理だぞ。」


「問題ありませーん。ダンジョンポイントで生み出すことができますのでその仕組みもこれから教えまーす。まずポイントについてですが、毎日100ポイント生成されダンジョン内の繁栄度が上がれば手に入るポイントも多くなっていきまーす。そしてそのポイントを使うことで種や動物を呼び出すことができまーす。ポイントはダンジョンのあらゆることに使えるのでどんどん繁栄させていってくださーい。」


 何もいらないなら安心だな。それじゃあいっちょ始めますか。


「まず何から始めればいい?」


「まずはダンジョン内で働き手を召喚しましょー。ダンジョンメニューを開いてくださーい、思い浮かべれば出てきまーす。」


 ダンジョンメニューを思い浮かべると正面に一冊の本が出てきた。手に取り開いてみると検索ページと書かれており働き手で検索するとたくさんのモンスター一覧が出てきた。モンスターの横には必要なポイントが書かれていて低いもので1ポイントから高いものは何百万ポイントもするものがいた。まだ俺は100ポイントしかないので意思疎通ができそうでなるべく人型に近くポイントが少ないものを多く呼ぶか、高くてもしっかりしたものを呼ぶべきかすごく悩む・・・。


「平原様おこまりですかー?困ったときはーウタマロを頼ってくださーい。その為のサポーターでーす。」


「じつは、ポイントが少ないものをたくさん呼ぶか高いものを少数呼ぶかを悩んでたんだ。どうするのがいいと思う?」


「そーですねー。このダンジョンはまだ規模も小さくやれることは限られていまーす。なのでポイントの高いものを呼んで少しづつ確実に進めていくのがいいと思いまーす。それに呼び出すモンスターにオプションとしていろいろなスキルを付与することができるのでうまく活用してくださーい。」


「そうか、それならそこそこポイント高めで色々つけてみるか。」


 本をめくっているといいものが目に留まった。それは小人族である。ポイントは50と半分持っていかれるが、大きさはバスケットボールほどだが身体能力は人間の5倍も持っており意思疎通が可能というベストモンスターだ。そこにオプションとして何かいいスキルを・・・。


【今ならなんと!!農業関連のスキルがセットで50ポイント!!】


 なんだこのあからさまな勧誘POPは。すごくお得なんだろうけどこれを選択してしまったらもう何もすることができない。


【今日限り!!!今逃したらもう二度と手に入らない。貴方だけに教える特別なセットですよ!!!】


 わかったよ!選べばいいんだろ。小人族に農業スキルのセットを選択して召喚っと。


【名前を記入してください。】


「えーっと名前は・・・スクナで。」


 目の前に魔法陣が現れ中から小人が現れた。


「呼ばれました!スクナです!バリバリ働きますんでよろしく!」

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