色眼鏡

@mochizukireirei

荷物が届く

授業が終わって、俺は一旦、家に帰る。

そして、バイトの制服を持っていって、バイトに向かう。

ファミレスは俺が出勤するときには少し混雑している。

夕食時の波が押し寄せて、今いるお客さんを捌くしかない。


バイトが終わるのは0時ごろ


その時間まで入ってくれる子はあまりいないそうで俺は重宝されているらしい。

まぁ、休みに出勤してくれと言われたら極力出るし、先輩と仲良くやってるし。

店長にとってはいい駒なんだろうな。……とは思いつつも俺はファミレスでバイトをしている。


休日出勤もするようにしているのは、一人暮らししている分、生活費の充てにしたいからだ。


大学進学をきっかけに上京した俺

半ば片田舎の地元から逃げたくてやってきた東京

半年経って、なんだか地元が恋しいと思えてきた。


「夏休みはバイトばっかで帰れなかったな……。」


別に、家族や地元のメンツが嫌いなわけじゃない。

東京を知りたかったのだ。


そんな日々を送っている俺に、母さんから贈り物が届いた。

家にいた俺は、宅配がきて受け取った。

両手で持てる最小の大きさといったところか。

開けてみると、箱と手紙が入っていた。


手紙を読んでみる。母さんからの手紙だった。


ゆうちゃんへ


ゆうちゃん、元気にしとる?

大学でちゃんと勉強しとるか?

くれぐれも体調には気をつけなさいよ。

母さん、最近ね、ゆうちゃんにとっていいものを見つけたので送るわね。


俺は中に入っていた箱を開けてみた。


「……メガネ?」


それは銀色のフレームで左のレンズと耳かける部分に繋がる接続部分に黒い小さな枠のようなものがある。

それは機械のランプがつく部分と似ている。

俺は手紙の続きを読む


手紙と一緒に入れておいたんだけどね、

それ、色眼鏡っていうのよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る