18 中学一年生 初夏
私と彼の間に、ちょっとした事件が発生した。
定期的に
私は浮かれていたのだと思う。
もう少し正直な表現をすると、調子に乗っていたのだと思う。
いや、乗っていたのだ。
彼に対するちょっかいが、エスカレートしていた。コントロールを失った魔球は、完全にすっぽ抜け、大きく
彼のほっぺを突き刺すはずの指先が、彼のくちびるに接触してしまった。
私はドキっとして
通常どおり、授業は継続している。しかし、私と彼を含む半径一メートルくらいの空間だけが、時間が止まってしまったかのような、異様な
何となく、このまま何もせずにいるのは気まずいと思い、彼の背中をそっと「トントン」とたたいて返事を待つ。
いつもなら、何かしらの返事があるのに、反応が無かった。
意図的に返事をしないというパターンの返事があったりするのに、今回は本当に無反応だった。彼なりに、何かしらの返答を返してくれているのかもしれないけれど、それを受け取ることができなかった。
私は、何か大きな
そうはいっても、本当に
ちょっとしたイタズラ心。彼も、別に嫌な思いをしているわけではない。私はそんなに悪いことをしているわけじゃない。
と、思う。そう思う。そう思っていた。
けれど、状況は全く異なるけれど、もしかしたら……
もしかしたら、私も同じことをしてしまっているのではないだろうか?
あの時、私がされて嫌な思いをしていた、それを私は彼に対して、してしまっているのではないだろうか。
そう思うと、
もう一度、彼の背中をたたこうと思って手を伸ばしたけれど、直前で手は止まり、それ以上動かすことができなかった。
時が経てば、何事も無かったかのように、元通りの関係が復元し、再び継続されるようになるかもしれない。
そんな
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