6 中二秋
学生時代の思い出として、多くの生徒たちが上位にランクインさせるであろうイベント、修学旅行の季節がやってきた。
世界に
大変申し訳ないが、僕の心にそれら日本の美しい
この地で、
それらと比較したら、本当にちっぽけなことだと思う。
比較することさえ
ただ、当時の僕にとってそれは、世界中で起こるどんな出来事よりも重大で、何事にも勝る、
僕は、知らず知らずのうちに、たった一人の女生徒に、いつの間にか完全に心を奪われてしまっていた。
それくらい、彼女のことが好きだった。
彼女は、この頃からクラスでも上位のグループに
だが、当然そういった集まりと
修学旅行も、彼女の班はそういったグループ構成となっており、遠目に見ても、とても楽しそうにしていたのをよく覚えている。
なまじクラスが同じということもあり、そういった場面が、嫌でも目に入ってしまう。
修学旅行といえども、好きなもの同士で班員を構成できるというわけではない。義務教育である以上、仕方ない一面である。
その時のクラス内の班というか、通常の学校生活を送る上での小集団が、基本となっている。
なのに、である。神様は本当に意地悪だ。
楽しいはずの二泊三日は、僕にとって、とても長く感じられた。
ケガや病気も無く、無事帰宅することができただけでも、幸いであったといえよう。
そんな修学旅行ではあったけれど、せめて旅行の写真だけでも、という想いにかられていた。
彼女が写った写真だけでも手元に残れば、良い思い出になるのではないかと考えたのだ。
学校の掲示板に一斉に張り出された修学旅行の写真を見ながら、彼女のベストショットを見つけだすのに、必死になっていた。
数多く張り出された写真の中から、僕は、最高の一枚を見つけることに成功した。彼女と、彼女の女友達二人で写ったものである。
この写真を見つけた瞬間、本気で心を奪われてしまった。
毎日、同じクラスで現実の彼女を目にしているのに、写真の中の彼女は本当に綺麗で、芸術的と思えるほどだった。
風が吹いていたせいなのか、片手でそっと髪を押さえるその仕草は、女神のようだった。
もうとっくに選び終わっているのに、何度もその近くをウロウロしては、
写真には番号がふられており、申し込みの封筒に番号を記載し、現金を
僕は悩んでいた。購入するべきか、やめるべきか。
写真の申し込み番号はたった三桁の数字だ。完璧に
あとは、封筒に、その番号をサラッと出力するだけだ。
たやすいこと、実に簡単だ。
お金?
問題はそこじゃないのだ。
写真が届いたとき、もしもクラスの友人に、
「どの写真買った? 見せて?」
などと言われたら、その場でベランダからダイブである。
担任の先生に、
「この番号の写真、お前写って無いだろ?」
などと言われたら、翌日から不登校である。
一歩間違えれば、今後の僕の人生を大きく
死の可能性さえある。
それくらい、
迷いに迷い、迷った迷った
写真は封筒に入った状態でホームルームの時間に担任から配られたが、お互い買った写真を見せあうような状況にはならず、本気で
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