創作初心者フリーライターの創作日記
鴻上ヒロ
もっと性癖バトルが見たいんじゃ!
僕には、好みの作品の傾向がある。
そりゃあ、誰にでもあるだろうけど。
僕の好みの傾向としては、「作者の性癖が透けて見える作品」を好きになることが多い。
ここで言う性癖とは、エッチな意味以外も含む。
たとえば、物語の性癖だと「尊厳破壊しがち」「メリバになりがち」「徹底的に甘々しがち」とかがあると思う。
僕が読んでいて「超面白い!」「楽しい!」と思うのは、そういう作品が多い。
小説に限った話ではなく、漫画、ゲーム、実写ドラマや映画、演劇などなどあらゆる「物語」に対してそういう風に思う。
Web小説を探すときも、なんか作者の癖のようなものを感じたい。
僕は同人エロゲが好きなんだけど、同人エロゲを買うときの基準が「作者の性癖」だ。作者が自分の性癖をてんこ盛りにしました! みたいな作品だと、自分の性癖とは微妙にずれていても、魅力的に感じられる。
実際、それで購入して新たな性癖の扉を開かれたことなんて、数えきれないほどある。
結果として、汚物以外のあらゆる性癖に対して「わかるよ」と言えるバケモンが生まれてしまったわけだけど。
誰がバケモンやねん。
そして、思った。
同人エロゲには、「売れてるのに文章レビュー数が少ない作品」というのがある。
レビュー欄だけでなく、DLSiteのブログ記事のものも含めて。
逆に、販売数に対してレビューがやたらと多い作品もある。
前者と後者、どちらが面白いか。
僕は、後者だと思う。
文章レビューというのは、面倒なものだ。
僕は執筆ジャンキーだけど、多くの人にとって「文章を書く」というのは面倒なんだ。
それを「したい」と思わせるだけの魅力があるから、文章レビューが多い。それを「したい」と思わせるだけの魅力に乏しいから、文章レビューが少ない。
Web小説も、評価基準は「文章レビュー」なんじゃないかと思うことがある。
そして、そういう文章レビュー率が高い作品って、「性癖を感じる」のではないか。
少なくとも、同人エロゲはそうなんだよね。作者の性癖開示! 性癖バトル! 俺のターン! みたいな作品は、レビュー率が高い。
なぜか。
「俺はこれがいいと思う! お前はどうだ!?」
そういう問いかけがあるからだ。
その問いかけに対して、「うおおおお!俺もいいと思うぞおおお!」と言える人が文章レビューをする。
つまり、深く刺さった人だ。
作者の性癖をしっかりと植え込むと、同じ性癖を持たない者は振り落とされる。
だから、一般受けはしない。
だけど、クオリティが高い性癖バトルを繰り広げられると、同じ性癖を持つ人には深く刺さる。
つまり、「ターゲット層が狭く深い」ということだ。
さて、僕の仕事の話に移ろう。
僕は、フリーのWebライターだ。
Webライターとして最初に叩きこまれたのは、「ターゲットを狭めること」だ。
ターゲット像を明確に設定したうえで、書く。年齢、性別、趣味趣向などなど。小説のキャラ設定のように、ターゲット像を明確にする。
要は、架空の人物を一人作り上げるつもりで。
そして、その架空の人物に向けて書くようにしろと教えられた。
これは、ターゲット層を狭くすることで「本当に刺さる人」に記事を届けるためだ。
同時に、「一人に深く刺さるものはほかの誰かにも深く刺さる」ということでもあるだろう。
逆に言えば、「一人に深く刺さらないものは、ほかの誰かにも深くは刺さらない」ということ。
小説投稿サイトのランキング上位作品を見ると、面白い。
そら、面白いよ。
多くの人が「面白い」と思うものが、ランキング上位になるんだから。
だけど、なんだろう。
作者の癖を感じる作品が、あまり多くはない。
逆に、ランキングにはないけどレビュー率が高いなと思う作品とか、ブクマ少ないけどレビューはあるないう作品とか、そういう作品から癖を感じることが多い。そういう作品は、結構面白かったりする。
まあ、もちろん自分の癖と合わなければ、クオリティが高くてもそっと閉じることになるんだけど。
ランキング上位を目指して書くなら、一般受けを気にして性癖開示バトルなどしないほうがいい。
ただ、熱心なファンを増やしたい場合には、性癖開示バトルをしかけたほうがいいのかもしれない。
というか、僕はもっと!
作者の癖を感じる作品が読みたいんだ!
ただそれだけの話を! ここまで! 難しそうに! 語ったんだ!
そして、これは大衆受けなど考えずに、ただ僕の好みで作品を書いている自分自身に対しての赦しでもある。
ま!
僕が今連載してるファンタジーには!
まだ!
文章レビュー!
ないんですけども!!
しかし、PV数とブクマ数と応援数は、日に日に伸びています。
ありがとうございます。
大変、嬉しいです。
文章レビューもね、書きたくなる作品にね、なっていればいいな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます