僕らのミッション
東 里胡
僕らのミッション(1)
「ホントにヤるの?
ゴクンと生唾を飲み、顔面に『行きたくない、ヤりたくない』を貼り付け、少しばかり震えている
ここまで来て、ヤらないとかありえない。
僕と同じ黒づくめの服装をしたヤる気のない二人を睨みつける。
「本来なら、タケと
僕の憤りを右耳から左耳に受け流したように、ふっと笑ったレンレンがベッと舌を出した。
「でも、ショータのソフトじゃん? だったら本人も行かないと」
「元はと言えば、レンレンが悪い! 授業中に広げるから」
「ねえ、二人ともケンカしないでよ」
タケの震えた声にため息をつき、夜の校舎を見上げた。
昼間とは違う、おどろおどろしい顔を覗かせる中学校に怯みかける。
怖い、僕だってめっちゃ怖いけど。
意を決して、二人より先に校門を登るための助走をする。
「行くぞ」
「あ、待ってよ、ショーちゃん!」
「タケ、後ろも気をつけろ?」
「ひゃあっ! そんなこと言わないでよ、レンレン」
「頼むから静かにしろよ、二人とも!」
先行きが不安な、夜の始まり。
僕らは今夜、学校に忍び込む。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます