第80話 娘さんの性癖は隠すべき?明かすべき?
「あ。謀反人が戻ってきた」
「グハァ!」
何食わぬ顔で王座に間に戻ってきた俺を待っていたのはレモンちゃんの心を抉る言葉の刃だった。
レモンちゃんからの痛恨の一撃を受け膝から崩れ落ちた俺は床に蹲った。
「「だんなさまーーー!!」」
床に崩れ落ちた俺の姿を見てシャルルちゃんとライムちゃんが大慌てで蹲った俺の傍へ駆け寄って来くる。
「だ、大丈夫ですか!?どこか御怪我を!?」
「先程の戦闘でやはり御怪我を!?」
「い、いや‥‥問題ない大丈夫だ」
「本当に大丈夫ですか?」
「あ、ああ」
言えない。
レモンちゃんの言葉が心に突き刺さっただけだとは言えない。
なので早々に話題を変えよう。
「ご、ごほん。ところでそっちはどうだった?」
俺がばーむちゃんとしりとりで時間を潰している間にスメル王達の処遇について話合っていたハズ。
それにレモンちゃんやライムちゃんは元が付くとは言え正真正銘の王女様なので場合によってはスメル王の後釜となってもおかしくはない。
「これからの事とかについては旦那様がお戻りになってから改めて話合いを行う予定にしていましたので先程まではお母様に旦那様との馴れ初めを話しておりました!」
「そ、そうか…」
らいむちゃんとの馴れ初め‥‥あー‥‥ストーカーまがいの行動を起こしていた時だっけ?
しかもシャルルちゃんが布教と称して俺の使用済みシャツとか渡してたし。
まぁ‥‥うん。
多分だけどレモンちゃんがヤバい性癖の部分は修正してまともな話になって居るハズなので極力馴れ初めとは話さない方向でいこう。
それと―――
「お母様と話す前にどこまで話したか教えてね?」
「え?あ、はい。後ほどお話致しますね」
娘さんの性癖は極力隠す為にどんな話をしたのか聞き出しておこうと思いレモンちゃん達に聞こえない様にこっそりとライムちゃんに耳打ちした。
☆★☆★
スメル王を誅してから数日、戦後のゴタゴタがようやくひと段落付いたタイミングで関係者を集めての話し合いがようやく行われる事になった。
お城の会議室?の様な部屋に俺、シャルルちゃんとライムちゃんにレモンちゃんに2人の母親、それに給仕のメイドさんが数名が集まった。
「改めまして。この度は窮地をお救い下さいましてありがとうございます。本当なら望む物を褒美としてお渡ししたいのですが‥‥残念ながら目ぼしいモノはスメル王によって運び出されてしまってますので今回の働きに見合うモノがお渡し出来ないのです」
「いえ。報酬を求めての訳ではないのでお気になさらず」
「フフフ、娘達から話は聞きましたが‥‥謙虚な方なんですね?」
「いえいえ」
むしろ女の甘言に惑わされて一国の王をなんの証拠もなく『悪政を敷いてる!抹殺!』しちゃったので褒美を選べるなら今回の事を罪に問わないで欲しいです。
「褒美の件はまた後程お話するとして‥‥娘の…ライムとの事ですが」
「は、はい」
キタ!
俺の中では一番の山場。
ライムちゃんから事前に聞いた話では馴れ初めは大分マイルド…というか一般的な一目惚れでしたって事になっているそうなので俺もそのカバーストーリーに沿った受け答えをしなければならない。
「伴侶になる事自体は喜ばしい事ですが‥‥そのぉ~…アレは何とかした方が良いと思いますよ?」
「アレ…とは?」
「その…言いづらいのですが‥‥娘の肌着や下着を大量に隠し持っていたりするのはちょっと改めた方が良いかと‥‥」
「ふぁぁ!?」
待て待て!
いつから俺が変態にジョブチェンジしたよ!?
流石に嫁さんの下着や肌着をコレクションする趣味はないぞ!?なんで俺がそんな事している話になった!?
「レモンから聞かされてまさかとは思っていましたが‥‥その狼狽えぶりは‥‥ホントなんですね?」
「ち、違‥‥」
っく!
マズイ!非常にマズイ。
恐らく馴れ初めの話をしている時にライムちゃんのフォローをしきれなくなったレモンちゃんが変態行為を行っているのはユーハイムだとお母様に言い聞かせたのだろう。
なのでココで俺が違うと言うとじゃぁ変態行為をしているのは誰?となり貴方の娘さんですよ?と言う事になる。
俺のスタンスとしては娘さんの性癖は隠す予定でったのでここで暴露するのは憚られる、がしかし!真実を告げねば俺が変態のレッテルを貼られたままだ!
とは言え今の俺にはこの2択問題の解答を持ち合わせていない。
ならばどうするか?
簡単だ。
(出番ですよ~ばーむちゃん様ぁ~~~~~)
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【あとがき】
更新がちょーおそくなって申し訳ないです。
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