450円の便箋
戸北那珂
1月3日 breakup
1日の朝に送られてきてたあけおめのメッセにわたしが返事をしたのは3日の夜になってからだった。ことよろって返せばいいだけなので返事が思いつかなかったってのは言い訳にすらならないのは十分わかってるつもりだった。
でもその通知をみたときにどういうわけか心がすっと虚ろになった感じがしたし、彼に対してそんな気持ちを抱いてしまった自分がいることもちょっとだけ嫌になったので、咀嚼するのに時間が必要だったという弁解は脳内にとどめておく。
ああこの人はわたしのことを全然知らないんだ。もう知り合って2年は経つし付き合い始めてからも5か月は経っているのに。鈍いとかそういう問題じゃないんだと思う。8月に家族に不幸があったので、って話さえしないレベルの関係性だったのかなわたしたちは。あんまり興味持たれなくなったのかな。
でもわたしだって他の授業で知り合った友達にはなぜだか帰り道にその話してるし結果その人からは今年もよろしくなのです。とだけ送られてきたことと比べてしまってるので、やっぱりその程度のつきあいしかできなかったというか運命的なものではなかったんだろうな、と妙に醒めながら考え込んでしまった。
そうこうしていると彼から返信はきたけれど第一声が「遅くね?(笑)」だったので、その感情の薄さにこれはちょっと違うな、とやっぱり思って、ちょっと大事な話したいんだけど電話かけていい?と打ち込む勇気が出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます