(四)-2
「誰のですか?」
汎人が思わず聞き返す。
「原野恵一という人のです」
それを聞いて警部補がすぐに携帯電話を取りだし、電話をかけた。
「六月九日に提出された捜索願、提出したのは原野恵那、今回の被害者だ。そして捜索対象は原野恵一だ」
その脇で汎人が「原野恵一というのはどなたですか」と質問した。
汎人が質問した。
「被害者の孫に当たる人です」
「捜索願が出されたのはどういう経緯なのですか?」
「実は六月三日の土曜に、お孫さんの原野恵一さんが、被害者宅を訪問、二泊三日で滞在予定だったそうなのですが、二日目にどこかへ出かけたまま行方不明になってしまったとか。『孫がせっかく『おばあちゃんに会いたい』と言ってくれていたのに』と言って落胆されていたのを覚えています」
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます