進む

かがみ める

進む

涙を流した事実が


久しぶりに


空洞に近づかせた


その縁を撫でる


空洞に目をやると


黒色のベルベットが


でこぼこの癒えないあれを


覆って隠していた


守るために失くしたと


装っていた


あれの


小さい嗚咽が痛々しいが


それも無視して


立ち去った

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