第14話 一回戦
ここで一応ブレブラ《大乱闘ブレイクブラザーズ》のルールをおさらいしておく
基本ルールは【バトルフィールドから対戦相手が操るキャラクターを吹き飛ばせば勝ち】である。
相手にダメージを与えていけばそれだけ吹き飛ばしやすくなり、ダメージは%表記される
以上
アマツ視点
「最後の挑戦者はマーシャルコードのディシアさんっす」
対戦前の相手の紹介は名前をすっというだけ、ここで深く説明するのは勝った人のみの特権のため印象に残りにくく紹介する
「対戦よろしくお願いしますっす」
格闘ゲーム部門の細かいルールの説明になるが、残基1対1を3回、片方が先に2勝しても3回戦目も行う
選択キャラは二回戦以降の変更を禁止
以上
アマツが選択したのはスピードタイプの《ジャック》、一つ一つの攻撃は小さいが移動速度が速く、初心者ならそのまま落下してしまう上級者向けのキャラ
そしてそのキャラでアマツはヒット&アウェイを繰り返し、時間をかけて確実に削っていく戦法を得意とする
「お、お相手はヘルカイザーっすね、結構チャレンジャーっす!面白いっす!」
『ヘルカイザーって重いキャラだよな?』
『ジャック相手は普通にきついだろ』
『アマツ相手にヘルカイザーはまじで勇者過ぎw』
『印象残したいんでしょ』
『少しでも知名度が上がれば勝ちだしね』
視聴者はアマツが勝つのが前提で話を進める
アマツ自身も正直印象残し目的の相手に少し飽き飽きしていた
ゲームに勝つより視聴者に印象を残すことを優先するのであまり面白くはないのは前回以前から何人もいた
「(今年も収穫はゼロっすか、後でゲーマー友達とやろうっす)」
ゲームの進行が進み、ステージと二人のキャラクターが表示され、5からカウントダウンが行われる
5………4………3………2………1………BreakStart!!!
「(パパっと終わらせるっす)」
アマツはいつも通りジャックで素早く相手に近づく
「一気に削り取るっす!!」
モニターに映るジャックとヘルカイザーの距離はごくわずか、攻撃モーションが始まり
ジャックの攻撃が当たる寸前、ヘルカイザーの攻撃モーションが動き、ジャックの攻撃を相殺する
「っす?」
『お?』
『あれ?攻撃当たった?』
『いや、寸前で相殺したように見える』
『お~~~、奇跡』
今回の格ゲー部門ではほかの参加者はこの一撃から削られていき、流れ作業のように処理してきた
だが今の相手はそれを躱すことができた
視聴者からはまぐれや奇跡だと思った、今までの流れでいえばそう考えるのも無理はない
「おっと、これはこれはっす」
しかしアマツは嬉しそうな笑みを浮かべた
「もしかしたらっす!」
アマツの操作するジャックがまた攻撃を行う
しかし初動の時点で相殺されてしまう、相殺された際ジャックは後ろに下がるためまだ反撃を食らってはいない
「これは、お相手さんジャストガードを極めてきたっすか?」
『ジャストガード!?』
『確かに素早く動き回るジャック相手なら攻撃するタイミングを狙えば』
『え、それをアマツ相手にできるの?』
『これはアマツレベル来たかも!?』
『来たな無名の原石!!!』
その後、何度も攻撃を試みるもジャストガードを繰り返される
「確かにジャストガードがうまいっす、けど格ゲーは攻めなくちゃ勝てないっす!!」
素早さを駆使し攻撃の回数を増やし、ジャストガードの負担を増やしていく方向に動くアアマツ
相手が攻撃に転じない、そういう考えで油断していたのか
「は?」
ジャストガードに加えてカウンターをくらわされ、ジャックがひるんだ
その隙を見逃さず、ヘルカイザーはため技を最大にまで貯めてから繰り出した
「………………っす!」
ジャックは素早く軽いキャラである分ふっ飛ばされやすいデメリットもあった
「んにゃろ!!」
さすがにこの一発で吹き飛ばされることはなかったが、先ほどの一撃からコンボを積み重ねていく
『噓だろ!?あのアマツが?』
『相手何もんだよ!』
『本当にいつメンじゃないんだよな!?』
『ジャストガード極めすぎだろ』
『アマツが、負ける?』
「っ!」
負けず嫌いのアマツは黙って集中し、ヒット&アウェイを繰り返していくがジャストガードから始まるコンボにより大きく削られていく
「………………ははっ、マジっすか」
最終的にヘルカイザーの大技を食らい、ジャックはステージから吹き飛ばされた
『アマツがーーーーーーー!!!!!』
『まじかよ!』
『相手の名前なんだっけ!?』
『アマツが負けた!!??』
結果は今回初のアマツの敗北
画面が切り替わると驚いた様子の司会進行の愛嬢ピース
「なんとなんと!今回のニュースターVステージにて大波乱!!いつものように完了するのかと思われたアマツさんが得意な格ゲーで敗北!!しかも3回ある内の一回目での勝利!いかがでしょうかアマツさん?」
「………………ははっ、ようやく面白い相手が出てきたっす!後二回戦えるのが嬉しいっす!!ははははは」
「あーー、興奮冷めやらぬって感じのようですね」
アマツの興奮に少々引いているが、それでも司会進行を進める
「アマツさんに勝てたえっと、マーシャルコードのディシアさんは後二回アマツさんと対戦した後に紹介コーナーがありますので」
「あっ、ちょっといいっすか?」
「はいなんでしょうアマツさん?」
「少しお手洗いに行ってきますっす」
「あーわかりました、では視聴者の皆さんも二回戦まで10分後まで休憩時間を設けますので今のうちにお手洗いなどを済ませておいてくださいね」
マーシャルコード
「っしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「やった!!やったのじゃ!!!!」
「おめでとうディシアさん!!」
「ディシアちゃんすごいわ!」
マーシャルコードでは皆喜びに満ち溢れていた
「当然じゃ!われは魔王ぞ」
「よっ!最強の魔王様!!」
「魔王様世界一!」
「魔王様最高よーー!!!」
「はーーーーはっはっはーーー!!!!!」
お祭り状態、後ろに控えていたディシアの騎士たちも花びらを投げたりクラッカーを引いたり、ディシアを見越しに担いでわっしょいわっしょいと更新していた
「はーーーーはっはっはーーー!!!!!、所詮は人の子、魔王たるわらわに勝てぬものなどいなかったのじゃ!!!」
召喚されてから今までの間で一番の笑顔であった
『さすがディシア様!!』
『あのアマツに勝つとかすごすぎでしょ』
『龍錬とスタッフもめっちゃ喜んでるw』
『声しかわからないけどみんな盛り上がってるw』
ちなみにずっと配信しており、勝利した瞬間から配信を忘れる始末
「にしても視聴者のアイディアで勝てるとはな」
「うむ、あの時にジャストガードを教えてくれた臣下には礼を言おう」
『もったいなきお言葉!』
『でも言われて数日で完璧にジャストガードを極めれるとかさすがディシア様!』
『昨日の視聴者参加型もジャスガ無双w』
『一生ついていきますディシア様!!!』
「はーーーーはっはっはーーー!!!!!気分が良い気分が良い、このまま残り2回もひねってくれようぞ!!」
有頂天になったディシアとマーシャルコードと視聴者
少しの休憩をはさみ、二回戦を行う
「は?………………………なんじゃと?」
二回戦、ディシアは有頂天で油断しているわけではなかった、
キャラ変更のできない今回ではまた同じようにジャストガードをすればいい
ちなみに一回戦は180秒ある中で120秒、2分くらい使って勝利をした
だが二回戦にかかった時間は【15秒】
最強Vゲーマー八皇は伊達ではない
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