第10話

「ご、ごめん」


「だ、大丈夫です!!こっちこそごめんなさい!!」


冬さんにぶつかった。


冬さんが落とした道具を急いで拾い集めて、冬さんに渡した。


「ありがとうございます。」


「いや、当たってしまった俺の方が悪いし」


「いえ、私から当たりましたし」


ーーー


あー、普通の会話が出来ていた。


そうだよ、迷惑をかけたら謝る。


そんな普通が俺には愛おしく感じる。


ーーーー


その日は機嫌よく、VRの中にログインした。


そしてゲームをしていたら、


「もう一回!!もう一回!!勝ち逃げは許さないから!!」


プライドが強い、負けるが嫌いな人に当たったようだ。


ここまで見知らずの人に誘って来るのは珍しい。


結局、俺は一度も負けずに、フレンド交換をした。

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