33話 久しぶりの旅行。12



ポチの散歩をして、ついでに警察署まで行き朝食の頼まれていたぶんをシェーン公爵とソリティ警部補に渡した。



「ポチの散歩ありがとうな、うんちしたのか?」



「うん、立派なうんちしてたよ」



ポチは、僕を、ほめてよ大きいのだったよ。と、自慢気に吠えた。

わん、わん。






豪華な貴族専用取調室に、シェーン公爵とソリティ警部補がシルビア侯爵令嬢に亡くなった男爵令嬢のことを聞いていた。



シェーン公爵は警察関係者ではないが、王様の弟で爵位は本当は大公で帰れとは言えないようです。



「こんなに早く、わたしの罪を暴かれるとは、予期していませんでした」



品行方正で誰からも慕われて爵位も高い私は、婚約者からも愛されていると勘違いしていました。



テストでは最下位、品行方正とはいえないが見た目は可愛らしい方です、彼がこの男爵令嬢を愛してるなんて、その事を知ったらもう止まりませんでした。



睡眠薬を手に入れたまでは良いのですが、ボートを漕ぐのは無理、私は重い物は持ったことはありません!



一応、睡眠薬入り紅茶を飲むよう進めて眠らせましたが、ボートを漕ぐのは諦めて帰ったのです。

それを、シェーン公爵様とソリティ警部補に説明していました。




はあ、何か疲れるシルビア侯爵令嬢は男爵令嬢を殺そうと思い、ボートに乗るよう誘導して睡眠薬入り紅茶を飲ませたが、重い物は持った事がないので、オールを漕ぐのを諦めて帰ったと言っている。



「そして、もう1人に睡眠薬を飲ませました。

ですが、その方はシーサイドホテルの1室でお休みになってるだけです、次の日には、お元気でいらしていましたわ」



「その方は誰れですか?」



「・・・・・・話せません」



「シルビア侯爵令嬢、貴女の立場が悪くなりますよ」



「フッ、わたしの立場はこれ以上落ちませんわ」




シルビア侯爵令嬢の行いのせいで、人が1人亡くなったが、彼女は自覚がないようだ。



「睡眠薬入り紅茶を飲ませるのは犯罪だ。それも2人にだ。1人は亡くなった。ソリティ警部補、貴族専用、留置場に入れといて下さい」



シルビア侯爵令嬢は、案外大人しくしたがってくれたが、ベットルームは何処ですか?鏡に化粧品一式欲しいとか侍女いないのですか、入浴したいので侍女3人お願いします、とか言ってるようだ。



犯罪者になり牢屋に入れられたと実感が無いのか?





誰かがボートを沖まで漕いで男爵令嬢を捨てたのか?



う~ん



死んでると思って捨てた?



普通、病院に連れて行くとか警察に届けるよな、それをしないのは怪しい何かがあるのか?



ソリティ警部補が思い出したように、話し始めた。

「あっ!最近人身売買で子供を攫う事案があると報告が有りました」



シェーン公爵は右手人差し指で机をトントン叩いて推理していた。

「船で他国に運ぶため、あのボートを見付けて女性の死体があったら沖まで出て捨てるよな」



「そうですね、女性の死体が見つかると暫く警察官や記者とか野次馬も来て船で子供を運ぶのは、難しくなりますからね」



「警察官を配備していたら、案外一網打尽できるかもな」



「おお、了解です!」



サミエル・ブランデル子爵令息は、彼がシルビア侯爵令嬢にルージュ・ランバート男爵令嬢、2人の人生を滅茶苦茶にしたんだ。

だが今のところ彼を罰する事はできない。




持ってたナイフをサミエル子爵令息の似顔絵に投げた。


今、シェーン公爵は怒っている。



後は教会の地下室の死体だが、ポチに匂いを嗅がせ追跡調査したが娘は屋敷に、いたので仕方なく戻ることにした。





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