12話 上司の義父親が行方不明。
シェーンはヴィヴィアンに微笑みながら説明した。
「ヴィヴィアン明日、昼なんだよ急で、すまないが一緒に行ってくれるかい?」
シェーンは申し訳なさそうに話した。
「少々、ビックリですが馴れましたは、シェーン様のお知り合いの方は、急な申し出が多いですよね」
ヴィヴィアンは、俺に気を使ってくれているね良い奧さんだ。
「ありがとう、急な話で悪いね帰りはヴィヴィアンが食べたいと話してたスイーツを食べに行こう」
私が食べたいと話した。スイーツを覚えてくれてたのね、嬉しいです。
「久しぶりの外出デートですね、明日が楽しみです」
*
お茶会の日、予定より1時間早く、来いと連絡がありシェーン公爵は苛ついていた。
ダルシュール侯爵家の応接間のソファーにシェーン公爵夫婦は仲良く並んで座り応接間のインテリアを眺めながら。
これから、いったい、どんな無理難題を言い始めるのだろうか、想像したら腹が立ってきた。
ヴィヴィアンは紅茶を飲んだり、お茶菓子をつまんだりしていてシェーン公爵とダルシュール侯爵のやり取りを訊いていた。
シェーンが不機嫌に話し出した。
「俺たち夫婦に、何か頼みごとでもあるのか?」
ダルシュール侯爵はコーヒーを飲み、ニヤっと微笑みながら話し始めた。
「俺の愛する奥さんの父親のことなんだが、これから話すことは他言無用だ!」
シェーンもニヤっとしながら答えた。
「解った!説明しろ」
「奥さんの父親はダン・ドリンク侯爵で隣国トルン国に絹や穀物の買い付けに出かけていたが、3年前に帰ると手紙が届いたのに戻ってこないのだ」
シェーンは疑問に思ったことを訊いてみた。
「3年前1度戻ると手紙が届いたのに戻ってこないなら普通は探しに行くのではないか?」
「それが、どうも義父はトルン国に愛人が、いたようで何年も戻ってこないので義母は帰る気をなくして戻ってこない、そう考えていたようなんだ」
愛人作っていたとは、ヴィヴィアンは他人事でも怒ってるだろうな。
愛人作って戻らない!いつもは可愛い顔のヴィヴィアンの顔色が変わって、般若のような顔をしている、怖いぞヴィヴィアイン。
「3年たって今ごろ、どうしたいのですか?そんな夫とは慰謝料ガッポリもらって離婚したらどうですか?」
ダルシュール侯爵はハンカチで、冷や汗を押さえながら、ヴィヴィアンの疑問点に答えていた。
「まあそうなんだが離婚したくても本人のサインがいるから離婚できないんだ。宿に泊まっていたようなんだが3年前から泊まったという記録がなくてね行方不明なんだよ」
シェーンは嫌な予感がしていた。
「まさか俺に、トルン国に行けとか言い出すのか?」
ニヤっと笑いながら話しはじめる。
「そのまさかだ!夫婦で仲良く行ってこい!金ならいくら使っても構わんぞ」
ビックリする程、飲み食いして使ってやる。
「解った好きなだけ、使ってやるからな覚悟しとけ!」
「その前にお茶会を楽しんでくれ」
「遠慮なく、楽しませてもらうよ経費は、おまえに請求するからな!」
爵位はシェーンの方が上だが、有能なのでダジュール侯爵は上司なのだ。
シェーンも、有能だが人の上に立つと面倒臭いので出世には興味が無い。
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