第172話 Plan Start(計画始動) 4

 7,8人の拳闘士を引き連れて山へ登っていくグランダ一派。

 そのあとを尾行しているガム。


 「ミランダ様。グランダ達はどうやら山奥へと身を隠すつもりのようです。王城へ向かうのかと思っていましたが、どうやら違うようです。常に歩いてきた場所の意識は送っています。準備が出来たら向かってください。」

「ありがとうガム。」


 宿屋には引き込んだ男達が集まっていた。


 「……という流れで仕留める事にする。仕留めた後は奴を焼き払う。皆には迷惑が掛からない様、後始末はぬかりなく行う。……さて、この時点で辞退する者は?」


 男の中でも格上らしきロブが言った。


 「俺は手を貸そう。この二人はガットニーとメルトスキー。二人もなかなかの拳闘士だ。どうだ、乗ってくれるな?」


 ガットニーとメルトスキーは黙って頷いた。


 「他のメンバーはいかが?手を貸してくれる?」

「これだけ揃っていれば、闇討ちを仕掛けるまでもない。そのまま戦っても十分勝算はある。俺も乗ったよ。なぁバーンズ。」

「あぁ、そうしよう。剣を磨いて待つことにするさ。」

 バーンズはミトンに同意を求めた。


 こうして11人の男達が賛同してくれた。


 ボルクスが自身の剣を見上げながら言った。

「首を撥ねるか、胸ぐらを一突き。」


 ロブも続けた。

「身体中バラバラにしてやってもいい。俺達拳闘士は散々屈辱を味わってきた。今後の闘技大会の為にも片を付ける。そうだよなみんな!」


 「おぅー!」

 皆は剣を高々と上げ、意思表示した。


 「ありがとうみんな。怪我は一切負わせない、安心して。前もって奴に毒を盛る。身体の自由が利かなくなったのを見計らって、皆で襲撃する。返り血を浴びるでしょう。上着は用意しておきます。」

「ママ、それは明日までに人数分用意するわ。」


 毒を盛ると言ったのは、シンクロで動きを抑えるとは言えなかったからだ。


 「さぁ、今日はサルーンを貸し切ってある。皆で乾杯といきましょう。戻ってここで雑魚寝になってしまうけど勘弁してくださいね。では繰り出しましょうか。」


 ミランダと姉妹、男達11人は、宿屋近くのサルーンに繰り出した。

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