第150話 Two People When Young(若い頃の2人) 3
そして第1回決勝戦。
その結果は……。
闘技場内にアナウンスされた。
『第1回の勝者は、拳闘士グラードに軍配が上がりました。敗者となりましたが、拳闘士グランダにも健闘を称えます。』
二人の名は王城城下町に知れ渡った。特に兄のグラードは人気者になったのである。
そして第2回、この大会に於いても、前回同様に兄弟でワンツーを飾った。
二人の名声は高まるばかり。
だが弟グランダの心には嫉妬心にも似たものが芽生えつつあった。
(次の大会では必ず兄を倒して俺が優勝する。)
弟はそう自分に言い聞かせた。
時が過ぎ、第3回闘技大会が巡ってきた。
そして結果は、同じくワンツーで兄弟が入賞した。
この大会で、兄グラードは王城近衛隊に入隊が決定した。
この頃から、弟の心は兄への歪んだ復讐心に変わっていったのだった。
3大会で目を付けた強者達を言いくるめ、仲間にすると、山奥へと篭もるようになった。
ついに、弟グランダは兄の暗殺を計画した。
(兄がいなければ俺が優勝していた……勝者の名声を手に入れられたのに。)
夜間、仲間を引き連れた弟グランダは兄の泊まる宿へ向かった。
その日の昼に遡る……。
闘技大会で3連覇を遂げた者の事を知った王城近衛隊。即勝者の入隊が決定した。
そして隊長の命によりグラードを王城へ迎え入れると伝えに来た隊士。
「……近衛隊長からの伝令は以上。簡単な支度だけでいい、直ぐに王城へ向かいましょう。」
「光栄です。少しお待ちください、支度します。」
その後、隊士に連れられ馬で王城へと向かった。
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