第4話
「それに今日は丁度記念日だろう?だからお祝いも兼ねているんだよ!」 彼の言葉に驚きながらも私は感謝の言葉を述べた。そして私たちは一緒に展覧会へ行くくことになったのだった。 展覧会会場には多くの人がいたが、バーンハード様とはぐれることなく入場することができた。 バーンハード様はとても興奮していて、絵画のひとつひとつについて解説してくれた。その説明を聞くうちに私はますます彼のことが好きになっていった。そして時折目が合うと彼は優しく微笑んでくれる。その笑顔を見ると私は心が温かくなるのを感じた。 (幸せだな)と思いながら、私は彼との時間を大切に過ごしたのだった……
「すごかったです!とても緻密なタッチで、絵画から目が離せませんでした」 私が興奮気味に感想を言うと、バーンハード様も満足そうに頷いて言った。「楽しんでもらえて良かったよ、君ならきっと気に入ってくれると思っていたんだ」 そう言って彼は嬉しそうに微笑む。そんな彼の笑顔を見ていると私も幸せな気分になるのだった。 (バーンハード様とのお出かけが楽しい)と思いながら私は彼と腕を組んで会場を後にしたのだった…… ある雨の日、私は買い物に出かけていたのですが、途中で雨が降り始めてしまいました。傘を持っておらず困り果てているとバーンハード様が傘を差しだしてきました。
「よかった、今日は雨が降ると聞いたから持ってきていたんだ。」
と言って彼は微笑みます。私は嬉しくてお礼を言いながら傘を受け取りました。すると彼はそのまま私をエスコートするように歩き出します。 「危ないから傘を僕に預けてもらってもいいかな?」と彼が提案するので、私は少し恥ずかしかったのですが素直に従うことにしました。すると彼は嬉しそうに微笑んで私の肩を抱き寄せてくれます。 そうして二人で一つの傘に入りながら街の中を歩きます
しばらく歩くと彼の家に辿り着きました。「どうぞ入って」と彼がドアを開けてくれ、お邪魔させてもらいます。家の中に入ると、彼はタオルを渡してくれました。「濡れたままでは風邪をひいてしまうから、体を拭いておいで」と、彼は優しく言います。その言葉に甘えて、私はお風呂場へ向かいました。 お風呂から上がると、彼が温かいココアを用意して待っていました。それを飲んだ後は、一緒に映画を観たり、おしゃべりをしたりして過ごします。そして夕方になり、そろそろ帰ろうかと思っていると彼から家に泊まっていくことを提案されました。最初は遠慮していたのですが、彼の優しい笑顔を見ていると断りきれなくなり、結局一晩お世話になることにしました。
その夜、同じベッドで寝ていると彼が抱きしめてくれました。彼の温もりを感じながら眠りにつくと、幸せな気持ちに包まれていくのを感じます。(こんな日がずっと続けばいいな)と思いながら私は彼と抱き合って眠りにつくのでした…… 「バーンハード様!」私が声をかけると彼は笑顔で応えてくれました。「今日は、私もご一緒させていただいてもよろしいですか?」私が尋ねると彼は笑顔で頷いてくれました。 私たちは街へと出かけました。天気もよく、絶好のデート日和です!バーンハード様は私の手を取り、エスコートしてくれます。そして彼がおすすめしてくれたお店でランチを楽しみました。その後は街を散策し、楽しい時間を過ごしました。 夕方になり、帰る時間になりましたが名残惜しいです…… 「バーンハード様、またご一緒したいです」と私が言うと彼は微笑んでくれました。「もちろん!いつでも付き合うよ」と言ってくださったのでとても嬉しかったです! それから私たちは毎日のように一緒に過ごすようになりました。最初は緊張してうまく話すことができませんでしたが、だんだん慣れてきて自然に話せるようになりました。彼の優しさや紳士的な振る舞いに惹かれ、私はどんどん彼に夢中になっていくのでした…… ある日の夜、私はバーンハード様の家を訪れました。彼は笑顔で迎え入れてくれ、紅茶を入れてくれました。そして私たちはソファに座りながらおしゃべりをしました。話題は尽きず、時間が過ぎるのも忘れてしまいます…… しばらくすると彼が立ち上がって私の手を取ります。「そろそろ寝ようか?」と言われ、私は頷きました。寝室へ向かうと彼は私の頭を撫でながらそっと抱きしめてくれます。そして私たち眠りにつきました……
それから数日後、私たちが歩いているとパレードが開かれていたようで、人で賑わっていましたバーンハード様も私も興味津々で見物することにしました。様々な衣装に身を包んだ人たちが楽器を演奏する中で、一際目立っていたのが一人の男性でした。彼の演奏技術の高さに感動し、私は思わず拍手をしてしまいました。すると彼もこちらに気づき、手を振って応えてくれました。
それから私たちは色々な露店をりながらパレードを楽しみました。そして夕方になり、パレードが終わりゆっくり家に帰って眠りにつきました。
ある日のこと、私はバーンハード様から一緒に映画を観に行こうと誘われました。二人で街に行き、上映時間に間に合うように急ぎます。その途中、私が足を滑らせた拍子に彼に抱きついてしまいました。彼は私を受け止めてくれたのですが、そのままバランスを崩して倒れ込んでしまいました。私は彼の上に覆い被さるような形になり、身動きが取れなくなってしまいました。私は恥ずかしさで顔を赤らめながら彼を見つめます……すると彼は微笑んでくれました。「怪我はないかい?」と彼が尋ねるので私は頷きました。「はい、大丈夫です」と答えましたが、この状況では身動きが取れないことに焦りを感じてしまいます…… (どうしよう……)と思っているとバーンハード様が言いました。「良かったらもう少しこのままでもいいかな?」と言われてしまい、私はドキドキしながらも了承しました。彼の体温を感じながら、私は幸せな気分に浸りました…… そして映画を観終わり、私たちはカフェでお茶を飲んで過ごしました。
「アルベルト?」 彼がここにいるはずがないのに、私は町の噂でアルベルトが生きていると聞きました。
彼に会いたいという思いが強くなり、私は町を探索することにしました。そして彼がいるであろう場所を探し回っていると、思いがけない人物に出会いました。それはアルベルトでした……彼は昔よりも痩せていて、やつれた様子です。私が驚いて言葉を失っていると彼は優しく微笑んでくれました。「久しぶりだね」 そう言われて私は戸惑いながらも言葉を返します。「お久しぶりです……」と答えるだけで精一杯でした…… それから私たちはお互いの近況について話しました。アルベルトは最近まで町に戻って来ていたようでした。
「君は元気かい?」と尋ねられ、私は頷きました。「はい……」と答えると彼は安心したように微笑みました。 それから私たちはお互いの近況について語り合いました。アルベルトがこの町を訪れた目的はある女の子を探すことだと言います。その女の子の名前はレイスリーと言います。彼女は昔からの彼の親友だったそうですが、ある日突然姿を消してしまったそうです。それ以来ずっと探していると教えてくれました。彼に頼まれたので、私も協力することにしました……
(レイスリー............) 私は、胸が締め付けられる思いでした。 (レイスリーを見つけ出して、アルベルトに会わせてあげたい)と思いながら私は決意を固めたのでした。
それから私たちは、レイスリー探しのためにあちこちを探し回ることにしました。
彼女の特徴や居場所について情報を収集しながら町中を歩き回ります。しかし、なかなか手掛かりを見つけることができませんでした…… それでも諦めずに探し続け、町中をくまなく探索し、彼女が行きそうな場所を徹底的に調べます。しかしそれでもレイスリーの手がかりを掴むことはできませんでした…… 今日も成果が上げられずがっかりしながら家に帰る途中、私はアルベルトの後ろ姿を見かけました。彼の姿を見かけた瞬間、私の心臓は高鳴りました。 (もしかして……) 私は彼がレイスリーなのではないかと思い、声をかけずに後をつけました。すると彼は町外れにある廃屋の中に入っていきました。私は恐る恐る中に入っていくと、そこには数人の男たちが集まっていました……その中にはアルベルトの姿もあります…… 彼らは何かを話し合っているようでしたが、よく聞き取れませんでした。やがて一人が廃屋から出て行き、アルベルトが一人残されると私も外に
飛び出しました。私が飛び出してきたことにアルベルトは驚いたようでしたが、すぐに冷静を取り戻して私の腕を摑みました。「レイスリー……生きていたのか……」 アルベルトが私の顔を覗き込みながらそう言いました。「いえ、私は違います」と答えましたが信じてもらえません。彼は何度も問いかけてきましたが、私は何も答えませんでした…… やがてアルベルトは私の様子がおかしいことに気が付いたようでした。彼は私を心配そうな目で見ながら話しかけてきました。「どうしたんだい?」と尋ねられたので私は正直に答えることにしました……アルベルトは納得したような表情を浮かべていました
「でもどうしてこの場所に来たんだ?」
「あなたを見かけたからよ。今さっきの人たちは協力者?」
「ああ、レイスリーを探してもらうために協力してもらってるんだ。でもなかなか手がかりが見つからないんだ」と彼は少し落胆した様子で答えました。
その後、私とアルベルトは二人で協力してレイスリーの行方を探しました。町の噂や目撃情報を調査してレイスリーの足取りを追っていきましたが、有力な情報は得られませんでした…… 諦めかけたその時、私はあることを思い出しました。以前、バーンハード様が話していた話です。私はそのことを彼に伝えると、彼は嬉しそうに微笑みました。「本当かい?それは有力な情報だよ!」と言うと彼はメモ帳を取り出して書き込み始めました。そして私たちは再びレイスリーの足取りを追っていくのでした…… 数日後、ついに手がかりを掴むことができました!町の外れにある古い教会にレイスリーがいるという情報です。早速その場所に向かいました。するとそこには確かに彼女の姿があったのです……
彼女は私が来たことに驚いていましたが、すぐに笑顔になって私に近づいてきました。「……アルベルトも来ているの?」 レイスリーの問いかけに私は頷きました。すると彼女も納得したような表情を浮かべていました。アルベルトも私たちと合流するためにこちらに向かっているということでした……そして数分後、アルベルトが私たちの元にやってきました。「レイスリー!」彼が叫ぶと彼女も嬉しそうな表情を浮かべました。二人は再会を喜び合い、抱き合っています……私はその光景を見てとても感動しました。 (本当に良かった!) それから私たちは、一緒に町へ戻ることにしました。帰り道、アルベルトはレイスリーと再会できた喜びを噛みしめながら歩いています。そして私は彼らに声をかけました。「私も協力できて嬉しかったわ」 そう言うと二人は微笑んでくれました。「ありがとう、君のおかげでレイスリーを見つけることができたよ」 アルベルトがそう言ってくれると私も嬉しくなりました……そして三人で町まで戻りました…… (これで終わりじゃないんだわ……これからもっと頑張らないと!) 私は心の中で意気込みながら帰路につくのでした。
ある日、私が町を歩いていると一人の男性を見かけました。その男性はどこか哀しげな雰囲気を身にまとっていました。私は気になって声をかけることにしました……「こんにちは」
彼は一瞬驚いた様子を見せましたが、すぐに笑顔を作りました。「こんにちは……」彼が返事をすると同時に風が吹いて、彼の髪の毛が揺れました……その姿はとても美しく感じました。私は彼を見つめながら言葉を続けました。「何か悩み事でもあるんですか?」すると彼は微笑みましたが、どこか悲しげな表情をしていました…… (きっと何かあったんだろう) 私はそう思いつつも、それ以上何も聞けずにいました。「もし何か悩み事があったらいつでも相談してくださいね」私が言うと彼は微笑み返してくれました。「ありがとうございます……優しい方ですね」そう言って彼は立ち去って行ったのです…… (名前くらい聞いておけばよかったかな……) 私は少し後悔しながらその背中を見送ったのでした…… それから数日後、町を歩いているとまた彼と会いました。前回よりも元気がない様子でした。「こんにちは、何かありましたか?」私が声をかけると彼は驚いた様子でしたが、すぐに笑顔を作りました。「こんにちは……いえ、特に何もないですよ」彼はそう言うと去っていきました…… それからも何度か町で彼を見かけましたが、その都度元気がない様子でした。私は心配になりつつも声をかけることができずにいました…… (何か力になってあげたいな)と考えながら歩いていると、アルベルトが私を見つけました。彼は笑顔で近づいてきました。「やあ!」私は手を振りながら応えます。「こんにちわ」するとアルベルトは不思議そうな顔をして私を見つめました。「どうしてここにいるんだい?」私はアルベルトに事情を説明しました。彼は納得した様子を見せましたが、同時に心配そうな表情を浮かべていました。「大丈夫なのかい?」と尋ねられたので私は笑顔で応えました。「ええ、大丈夫よ!」そう言って私たちは一緒に歩き出しました……
それから数日後、再び町を歩いているとまた彼と出会いました。相変わらず元気がない様子でしたが、今度は私を見つけるなり駆け寄ってきました。そして彼は私の手を取ります。「あなたは……」私は驚きながらも手を握り返します……彼の手は少し冷たく感じましたが、とても暖かい気がしました。彼は何かを言おうとしていましたが、躊躇っているようでした……そして彼は口を開きます……「僕は……」その言葉を聞いた瞬間、私の心臓は大きく跳ね上がりました。彼が何を言おうとしたのか分かったのです。 「僕は、自分が誰なのかわからないんだ」と彼は言いました。
その言葉を聞いた瞬間、私は胸が締め付けられるような思いでした。そして私たちは二人で町を歩きました。 その後、私たちは公園のベンチに座って話をしました。彼は自分が誰なのかわからないことを打ち明けてくれましたが、どこか悲しげな表情をしていました。「どうして自分がここにいるのかさえ分からないんだ」 彼がそう言うと、私は彼の手を握りました……彼の手はとても暖かく感じます。私は彼に向かって微笑みます……「大丈夫!きっとあなたの中に大切な気持ちが残っているはずですよ!一緒に探しましょう」と言いました。すると
すると彼も微笑み返してくれました。「ありがとう……」そして私たちは二人で手を取り合い、彼を探す旅に出るのでした……
早速私は、この国の様々なところに彼を連れ出すことにしました。
一緒に町を探索し、ピクニックをしたり、路地裏のカフェでお茶を飲んだりしました。彼は少しずつ自分のことを思い出せるようになっていきました…… そんなある日のこと、私たちがいつものように町を歩いていると突然彼が立ち止まりました。「どうしたの?」と私が尋ねると彼は微笑みながら言いました……「思い出したんだ」 そう言って彼はゆっくりと目を閉じました。そして再び目を開けると同時に言葉を紡ぎました。「僕の名前はローリンズ、ここから遠いスローン国というところにいたはずなんだが」
私はその言葉を聞き、一瞬驚きましたがすぐに笑顔に戻りました。「じゃあ一緒に行きましょう!」と私は提案しました。「そうだね」彼は頷くと私の手を取り歩き出しました。 それから私たちはスローン国に向かいました……道中、彼は自分自身について少しずつ語り始めました。自分が誰なのかという疑問や記憶の欠如について……しかしそれも次第に解消されていきました。そしてついにスローン国に到着したのです……
到着してからまもなく、美しい礼装の執事と思われる男性が近づいてきました。 「ローリンズ殿下、お待ちしておりましたよ!!今までどこにいらっしゃったのですか!?」
とその男性は捲し立てるように言いました。「私はこの国の王子だったんだ…」と彼は呟きました。「はい、その通りです!さあ早くお戻りください!」その男性は有無を言わさず彼の腕を摑み引っ張っていこうとしました。しかし彼が私の顔を見た瞬間、その男性は立ち止まりました…… 「あなたは……?」 私は微笑み返します…… 「私は彼の友人です」と答えた。すると男性も納得したように頷きました。そして彼は私たちに向かって深々と頭を下げます。「これは失礼いたしました
。どうぞ、お入りくださいませ」 私たちは大きな城の中に入っていきました…… その城は広く華やかで、まるで別世界のように思えました。そして私たちは玉座の間に到着しました……そこには一人の男性が立っていました。「ローリンズ殿下!!ようやくご帰還されましたか!!」と男性が叫ぶように言いますと、ローリンズさんは一瞬ビクッとなりましたがすぐに頷きました。「ああ……」そして彼は玉座の前で跪きました。その姿からは気品が溢れていました。彼の隣にいる執事の男性も同じく跪き、私たちに向かってお辞儀をしました。 ローリンズさんが玉座に座ると、その場の空気が一気に変わりました……その圧倒的な存在感とオーラに圧倒されてしまいました。彼は穏やかな表情で私たちを見つめていましたが、その瞳からは何かを感じ取ることができました……それは優しさや慈しみといったものでした。私はそんな彼の姿に心を奪われてしまいました。 その後、私たちは食堂で食事をしながら話をしました。彼の話によると、彼はスローン国の後継者として育てられたそうです。しかしある日突然、記憶が途切れ、気がついたときには森の中にいたそうです。 その後、彼は自分自身が誰なのかを知りたいと願い始めました。そして彼は旅に出ることを決めたのです。しかしその旅は困難を極めました……何度も命の危険に晒されながら彼はある私たちの国にようやく辿り着いたらしいです…… ローリンズさんは話し終えると静かに微笑みました。「大変だったんだね」私がそう言うと彼は微笑みながら頷きました。「でも君のおかげでここまで来られたんだ……」彼の言葉を聞いた瞬間、胸の奥がジーンとする不思議な感情が込み上げてきました。 私たちはその後もしばらくの間一緒に過ごしました。彼は時折、自分探しの旅のことを思い出しているのか物思いにふけることもありましたが、それでも私たちの関係は続いていました……私は彼が必要としている時に必要な存在であり続けようと心に誓いました。そして彼と過ごす日々は私にとってかけがえのないものとなっていきました……
あれから数ヶ月が経ち、ローリンズさんは記憶が戻り、スローン国の王位を継ぐことになりました……そして私たちは各々幸せな日々を過ごしていました。 ある日、ローリンズさんとお茶をして時、言いました。「一緒に行きたい場所があるんだ」そう言って彼は私を馬車に乗せてくれました……着いた先はスローン国を見渡せる高台でした。そこは静かで穏やかな場所であり、心が安らぐような場所でした……そして彼は静かに口を開きました。「ここはかつて僕のお気に入りの場所なんだ……」
その言葉を聞いた瞬間、私は彼の悲しみを感じ取ることができました……きっと彼はこの場所に来ることで自分自身と向き合いたかったのでしょう。 ローリンズさんは少し哀しげな表情を浮かべながら言いました。「僕はこの場所で色々なものを見てきた……そして自分の生い立ちや運命を知ることができたんだ……」彼の話を聞いていると、私も自然と胸が締め付けられるような気持ちになりました。しかし同時に彼の背中を優しく撫でてあげたいという衝動に駆られました。私はそっと手を伸ばして彼に近づきます……すると彼もそれに応えるように私に身を預けてくれました。
その日はゆっくりと景色を見ながら過ごすのでした。
次の日、自国に戻ると彼はスローン国の王として即位し、忙しい日々を送っていると聞きました。私も彼のことを心から応援していました。しかしその一方でどこか切なさを感じていました……私は彼のために何ができるのか考え続けました……そして一つの結論に辿り着きました。私は彼に手紙を書くことにしたのです……「どうか自分自身を大切にしてください」と伝えたいと思ったからです。 数日後、ローリンズさんから返事が届いた時は本当に嬉しかったです!彼は私の気持ちに感謝してくれているようでした。それから私たちは時々手紙のやり取りをするようになり、お互いの近況や想いを伝え合うようになりました。そして私たちは互いの存在を身近に感じられるようになりました。私は彼に会いたいと思う気持ちが高まり、意を決して彼の国に訪れることにしました…… ローリンズさんはとても喜んでくれました。「君に会えて本当に嬉しいよ!」と笑顔で言ってくれました。
私は彼が喜んでくれたことがとても嬉しかったです。 それから私たちはたまに一緒に時間を過ごしました……彼と過ごす時間は私にとって特別なものでした。ローリンズさんと過ごす時間はとても幸せで、心が満たされていくような感覚がありました。 そんなある日、彼は私にあることを告げました……「僕はずっと君のことが好きなんだ」突然の告白に私は驚きましたが、同時に嬉しさも感じていました。 しかし、私はバーンハードさんという心に決めた男性がいらっしゃいます。そのことをローリンズさんに伝えると彼は少し悲しげな表情を浮かべていました。「そうか……君には素敵な男性がいたんだ……」と彼は呟きました。
数日後、私は彼に手紙を書き、別れの言葉を告げました。「どうか幸せになってください」というメッセージを残して…… それからしばらく時は経ちますがローリンズさんからの手紙は届かなくなりました……彼のことが心配になりつつも私は自分の道を歩み始めました。バーンハードさんの幸せな未来を思い描きながら……
ローリンズさんのことを思い出す度に私の胸は痛みました……彼は私にとって特別な存在であり、いつまでも忘れることのできない存在です……私は彼への想いを抱えながら日々を過ごしていました。 それからしばらくして、あるニュースが舞い込んできました。なんとローリンズさんが行方不明になったというのです。私は心配になり、彼の捜索を始めました……しかし手がかりはほとんどありませんでした……しかし諦めずに探し続けることでいつか必ず彼に会えると信じていました。 そんな時、彼がかつてのスローン国の森の中にいるという噂を聞きつけ、私はすぐにその場所に向かいました。 スローン国の森の中に足を踏み入れると、そこには美しい光景が広がっていました……色とりどりの花が咲き乱れ、鳥たちが心地よい音色を響かせている声が響き渡ります……しかしそこには人の気配はありませんでした。それでも私は諦めずに彼を探し続けました。すると突然後ろから声をかけられたのです!振り返ると彼が立っていました…… 彼はどこか悲しげな表情を浮かべていましたが、私のことを覚えてくれていたようでした。「よかった!無事だったんだね」と私は喜びの声を上げました。「心配をかけてすまない……」と彼は申し訳なさそうに言いました。 しかし彼の腕には見慣れない腕輪が嵌められており、私は疑問に思いました……「その腕輪は……?」と尋ねると彼は微笑みながら答えました。「これは僕の宝物だよ」
彼の腕輪にはハートの形をした宝石が付いており、それはまるで愛を象徴するかのような輝きを放っていました。 「皆が心配していますよ。帰りましょう?」
と私が言うと彼は首を横に振りました。「いや、僕はもう戻るつもりはないんだ……」その言い方にはどこか決意が込められていました。私は彼の目を見つめました……その瞳からは強い意志を感じ取ることができました。 そこで私は彼に言いました……「なぜ戻りたくないのですか?」すると彼は静かな口調で語り始めました。「僕には国を治める責任があるし、この国でやるべきことがたくさん残っている……だけど...」そして少し間を置いてから私に尋ねます。「君は僕のことをどう思っているの?」
突然の質問に驚きましたが、私は真剣に考えました……そして正直に自分の気持ちを伝えました。「私はあなたのことが好きです……でもそれは友人としての気持ちであり、恋愛感情ではありません」と言いました。すると彼は少し安心したように微笑みました。「ありがとう............」 そう言って、彼は立ち去ろうとしましたが、私は彼の手を握り引き止めます……「待って!」という私の声に気付いたのかローリンズさんは立ち止まります。 そして私は自分の気持ちを正直に打ち明けました……「あなたには帰るべき場所がありますし、それにあなたの帰りを待っている人々もいます……だから私はあなたの帰りを待ち続けます!」と言いました。 ローリンズさんは驚いた表情を浮かべましたが、すぐに優しい笑顔で答えました。「ありがとうフォーネリア、君に会えて本当によかった。また前のように手紙を送るよ」彼はそれだけ言うと再び歩き出しました……その背中がとても遠く感じてしまい、私は胸が締め付けられるような感覚に襲われました。それでも私は彼に手を振り続けました……それが私ができる最後のことだったのです…… ローリンズさんが立ち去ると、私の周りには静寂が広がりました。彼が去った後に残ったのは微かな悲しみだけでした。しかし、私は彼と過ごした思い出を胸にこれからも生きていこうと心に決めました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。