六月の青い鳥

秋喬水登

第1話 茶番

きみが観ている風景と



ぼくが観ている風景が



二つの目玉で観たという共通点だけで



同じものだと云えるのかい



きみが感じた驚きと



ぼくが感じたとまどいが



同じ場所で出会った出来事だというだけで



同じものだと云えるのかい



ぼくはいつだって



言葉をつむぐ最低の



共通ルールを見定めることにさえ



トホウもない繊細な努力を積み重ねる



それなのに



ぼくの言葉はいつだって見当違いで場違いだ



たかが数ミリの誤差が



ぼくには何億光年の距離に思えて



取り返しのつかない間違いに落ち込むんだ



だけど、



うまくやっているフリなら出来るよ



むしろ、それがぼくだ

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