読まれることのない手紙 二十三通目
結局僕は、アキラを許すことができなかったのかもしれない
アキラは僕の一番の友人だった
僕と別れた君がアキラとつきあったとき、僕は寂しくもあり、うれしくもあった
君とアキラが別れたあと、アキラは君のことを僕に語ろうとしなかった
君に会いたい、でも会えない自分の気持ちを彼を通して満たそうとしていた僕を、彼は見透かしていたのかもしれない
君は本当に、彼を愛していたのだろうか?
そして彼は、なぜ君と別れたのだろうか?
なぜ彼は、僕にその一切を語ろうとしないのか?
僕には永遠に解けない謎だけが残った
今日まで、僕はずっと彼に対する怒りを胸にしまったまま彼に接してきた
君を傷つけ、僕の前から君を消しさり
そしてその理由をけっして口にしない彼を
僕は許せなかった
先日、旧友最後の未婚者が結婚した
これでもう、アキラとも顔を合わすこともなくなるだろう
僕はやっとこの怒りから解放される
結局君は、僕から一番大切な友人を連れていってしまった
・・・大丈夫
今はもう わかっているよ
悪いのはアキラでも
君でもなく
・・・僕自身なんだよね
to Haruka from S
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