第4話 相合傘
雨が降ったら相合傘ができる。
彼はいつも青くて広い傘をさしてきて、私はするりと滑り込む。
「おはよう」
なんて言い合って、肩をつけて雨の匂いを嗅いだ。
彼の汗の香りと入り混じって、湿った夏の日を実感する。
「帰ろっか」
部活終わりに待ち伏せして、腕を組んで香る他の女の匂いにむせた日の雨。
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