第11話 褒め言葉の受け取り方は、推しの気分の問題

 自分はよく「読みやすい文章」と言っていただくことがある。

 とてもありがたい。

 難解でその人らしい文章というのもあるが、自分は大学の頃から、すらすらと読みやすい文章を心掛けているので、一番の褒め言葉だと思っている。


 ところが「読みやすい文章」を、他に褒める点がないから言ってると受け取る人もいる。

 仮に褒めるところがなくて……だとしても、ひとまず褒めようとしてくれているだけいいと思うのだけど。


 他人が自分の思うように褒めてくれる、作品を認めてくれるなんてことはないのだ。

 字書きも絵描きも曲書きも「こんなに考えて自分が精魂込めて作ったものより、暇つぶしや適当に作ったこれがいいって言われるの!?」はあるあるなのだ。


 この褒め言葉の受け取り方が人それぞれは、創作側・配信側、読者側・リスナー側との揉め事を産む。


 ムカつくとか作品がつまらないから消せのような誹謗中傷は誰の目から見ても良くないからわかるのだ。

 しかし、最初にあげた「読みやすい」と同じように、ある人にとっては褒め言葉でも、受け取り手によって違う受け取り方をする人がいる。


「なかなかいい声」とか「わりと好き」なども使いがちだが、「なかなかって何!?」「わりとって随分な言いよう」という人もいる。

 また、中には絵描きじゃない人が絵を褒めることを嫌ったり、配信者とリスナーは上下関係があるのだからという考えの人もいたりする。

 

 さらに一番問題になるのは……褒められる推し側の精神状態である。


 推される側は人間なので、感情の上下がある。

 しかも、こちらから見えない部分で、いろいろある。

 仕事で失敗したとか、道端で嫌な人に絡まれたとか、家族の問題とか体調とか。

 そんな推しの状況で、同じ褒め方でも、受け取り方に違いがである。


 だからもし、あなたが褒めたつもりや慰めた時、推しが怒ってしまっても、それは相手の状況が悪いと思って欲しい。

 褒め言葉の受け取り方は本当に推しの気分次第なのだ。

 悪口や嫌味でないなら、あなたがどうこうできた問題ではないし、あなたの言葉で怒ったのではなく、他の人が言っても怒ったかもしれない。

 

 推しが好きなら好きな分、推しが怒ったとか、推しを嫌な気にさせたとかは気にかかるかもしれないが、受け取り方は相手の気分次第面も大きい。

 推しは他人であるが、推しは二次元と違って人間であり、天候や見えない出来事によって気分が変わる。

 その事は心に刻んで推し活したいものである。

 

 

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