ブリードスキル いじめられっこ覚醒! いじめられスキルで異世界でも怖くありません……

石のやっさん

第1話 屋上にて

本当に疲れた。


生きていくのが辛いな。


僕が何をしたと言うんだ。


ただ、クラスの人気者に目をつけられただけ。


名前が『聖夜』だからってそれだけじゃないか?


イジメの一番最初の原因。


それは僕の名前が聖夜だったからだ。


しかも、僕の苗字が竜崎。


竜崎聖夜という名前の漫画の主人公がいて、それが国民的に人気の漫画。


たまたま、僕が同姓同名だっただけだ。


この名前のせいで昔からよく弄られてきたけど、ここ西山学院高校で、クラスの中心人物に目をつけられてからが最悪だった。


ただ、嫌がらせを受けていた女の子を助けただけだったのに……


その虐めの矛先は僕に向かった。


何処までも報われない。


助けた女の子は虐める側に加わり、僕の机に笑いながら菊の花束を花瓶にいけて置いていた。


何処までも救われない......助けなければ良かった。


助けなければ、名前で揶揄われるだけで虐めにまで発展しなかったかも知れない。


クラス全員の無視。


葬式ごっこ。


そしてばい菌扱い。


給食にはチョークや虫が入れられ、椅子や上履きには画鋲が必ずある。


機嫌が悪いと暴力まで振るわれる。


何をしても許される相手。


それが僕だった。


先生に相談してもこれらの行為は只の遊びだと言われ取り合ってくれなかった。


クラス全員が『違う』と言っていた事と虐めの中心人物の親が地元の権力者のせいもあるかも知れない。


だが、それも今日で終わり。


虐めの内容を遺書に書いた。


虐めにより画面が粉々になったスマホを重にして飛ばないようにした。


あとは、ここから飛び降りるだけだ。


足がすくむ。


だが、ここから飛び降りれば全てが終わる


まだ5分しか経ってないが何時間も過ぎた気がする。


「ハァハァ~やるぞ……」


怖い、だが、もう後戻りはしない。


一、二、三……


僕は勢いをつけて学校の屋上から……飛んだ。


グシャッ


凄い痛みを感じて僕の視界は真っ赤になり、意識を失った。




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