怪隠一行

空空

螺旋回廊

虫除

 彼から、おまもり、と差し出されたその小袋の紐が緩んで道端に落ちてしまったのを拾ってくれた親切な男性が、火の気もないのに突然真っ赤な火達磨になって転げ回るのを目の当たりにして、自分がなにかとんでもない事態に巻き込まれていることにようやく気づいた。

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