第11話 イタズラ心

キター!!

よっ!!待ってました-!


これで俺も、チートテンプレ仲間入りだあぁあ。


軽やかな音と同時に表れたダイアログ表示には、こう書き示されている。


<取得ポイント十倍の効果で種族進化しました>


しますか?っていう質問系じゃなくて、しましたなのね……


という事は、進化先は選べないのか……


何かトントン拍子で化け物に成ったりしないか不安だが、まぁスキル作れるし何とかなるか。


読み終えると同時に、俺の身体を光りが包み。


白かった身体の所々に紫色の線が入り、全体のサイズも若干大きくなった。


先ずは一歩前進、取り敢えずステータス確認だ。


名前:アザト リュウジ

レベル:1

種族:ポイズンリザード

HP:20

MP:10

SP:2


スキル:

他言語理解

アイテムボックス

取得ポイント十倍

スキルを作るスキル

微毒


ん?微毒。

種族進化で、スキルを得る事が出来てるぞ。


良し良し。

其れに、もうHPとMPは二桁突入した。


流石にスキルポイントは2しか増えていないが、取り敢えずは上出来だろう。


ポイント2で作れるスキルがどんなものかは、ゆっくり検証してみるとして。


また何が起きるか解らないし、当分はスキルポイント貯蓄だな。


其れと種族進化したからだろうが、表示は無いけど明らかに素早さや力も上がっている。


錆びた釘を振り回してみると、さっきよりも軽く速い。


これでサイズに依る、移動速度の問題もマシになるだろう。


それに望んでいない戦闘だったが、重要な情報を得る事も出来た。


通常他人のステータスを視る事は出来ないが、戦闘のHPバーは表示される事と。


倒した魔物の遺体が消えるという事は、ゲーム的世界の可能性が高い事だ。


ゲーム的世界のテンプレなら……


「ゲーム好きな君達に朗報だ、つまらない現実よりリアルなゲームの世界。 勿論報酬も用意してある、存分に楽しんでくれたまえ」


「な…… ログアウト出来ないだと…… 」


俺には現実世界に大事な彼女があぁ!!

……居ないな。

大事なのは推しだけだわ。


そんな事を考えていると、帰って来た見張り番の声が聞こえてきた。


「あの剣士も可哀想な奴だな、あんな猛獣と戦うなんてさ」


「俺なら三秒持たないわ」


そう言って笑い合う見張り番達の会話を聞き、俺は面白い事を思い付いてしまうのだった。


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