恋情と呼ぶには……

蒼井アリス

第1話 プロローグ


「おはよう、ノア。さあ起きて、お寝坊さん」


 窓から差し込む朝陽に照らされた青年の髪は艷やかに輝いている。

 彫りの深い顔立ちに少し低めの声。ルネッサンス期の芸術家が生み出したブロンズ像を彷彿とさせる美しい青年は、布団にくるまっている男の頬に軽くキスをする。


「今日のミーティングは十時からだ。もう少し寝かせろ」

 一向に布団から出ようとしない男は、駄々っ子のように頭から布団を被ってしまった。


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