❖夕陽新聞❖
夕陽新聞2125年8月28日朝刊より
【全国食物対策駆除課「生クリーム」の駆除に成功】
全国食物対策駆除課は昨日、原宿にて発芽した「生クリーム」の駆除に成功したことを明らかにした。八ツ喰のひとりである麗花は「戦っていて、年々タベモノが強くなっていると感じる。このままでは、いずれ人間は滅びるのではないか」と危機感を露わにしている。今回の駆除での死亡者・行方不明者の数は、500人を超えていて、そのほとんどが駆除にあたった喰い人であった。現在わかっている死亡者数は以下の通りである。
〈死亡者数〉
全国食物対策駆除課より389人
他一般人より143人
合計:532人
夕陽新聞2125年9月4日朝刊より
【全国食物対策駆除課「A-Junkie」の導入決定】
全国食物対策本部は、第62回全国食物対策会議にて、アメリカが開発した動物への中毒覚醒システム「A-Junkie」を、来年度から本格的に導入していく方針を明らかにした。その決定について、八ツ喰である亜仙は「八ツ喰の骨丸や、原宿でのキムチ等の活躍を認めての部分が大きい」と語る。またミナトク・ロイドも会議の中で「動物たちと一緒に戦えることを楽しみにしている」と期待感を語った。
【新大阪市食物対策駆除課長にナユタが就任】
全国食物対策本部は同会議にて、これまで大阪を管轄してきた夜達磨に代わり、元横浜班のナユタを新大阪市食物対策駆除課長に就任させることを決定した。麗花は「横浜での対フカヒレ、原宿での対生クリームのふたつの活躍が著しかった。会議でも満場一致で決まった」と会議の裏側を語った。東京に次ぐ第二の都市、大阪での彼の動きに期待したい。
夕陽新聞2125年10月24日朝刊より
【2130年 大阪万博開催決定】
2130年国際博覧会(万博)の開催国を決める博覧会国際事務局総会が23日、バンコクで開かれ、日本時間24日未明に行われた加盟各国の投票で日本(大阪)が選ばれた。大阪では1970年、2025年に次ぐ、105年ぶり3回目の開催となる。過去2回の万博の開催実績や運営能力の高さなどが評価され、7カ国による争いを制した。
政府は30年万博の経済効果を全国で約4兆円と試算し、今後の景気浮揚策に位置付ける。大阪府・市は万博に合わせて会場となる心斎橋(旧アメリカ村)の復興も含めた、統合型リゾート施設の開業も目指しており、今後インフラ整備等が加速していきそうだ。
30年万博のテーマは「しぜんの中を生きてゆく」。タベモノの発芽が世界的問題となる現代で、人口ではなく自然を生きることの大切さを考え直すコンセプトを掲げる。最先端技術の開発と環境問題、ふたつを天秤にかける「共生の在り方」を問うものとなると予想される。
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