第3話

今日がある日だ。


「あ、お兄様どこ行くんですか?」


「ほら今日はずっと言ってた大事な日なんだよね」


「ずっと気になっていたんだですか、なにがあるんです?」


「いや、それはちょっと」


言えない、俺はこの世界の秘密を知っていて、今から攻略対象(男)を助けに行きますーなんて、


「怪しいですね」


ぎくっ、流石マイシスター、よく見ている。と言うか主人公としての直感が動いているのか??


「女ですか?」


男です。


「違うよ。そもそも何度も言うけど、妹以外の女の子に興味なんてほぼないって、妹より可愛い子は居ないからさぁ」


「じゃあ、なんのようか教えてください」


俺はすごい筋力で腕を掴まれる。


流石、暴力系ツッコミ主人公!!力が段違い!!つかまずいな、時間もないし・・・


言うか素直に、


「春、今から言うことを信じてくれるか?」


「私はお兄様の言うことはなんでも信じますよ!」


今思いっきり疑ってたよね!!


「・・・じゃあ、言うな」


ーーーー


「それで、お兄様の言う通りなら。」


「そうこの時間に彼がやって来る」


これは本来原作通りなら、ここで俺がやつと因縁が生まれる筈だった。


そう、原作ではある兄妹が、ここで妹を命を落としてしまう。そこにたまたま歩いて来た俺は、泣いている兄をばか笑いするのである。


ゴミ過ぎる。


そんな原作の俺は


「そろそろですね。時間です」


そう、このゲームは原作の画面でしっかりと起きた日付と時間が表記されている。


俺はこの原作をやりこんでいたのである。

オタクでこの乙女ゲー大好きだった元の世界の妹のために、


「くそぉー!!」


攻略対象者だしき男の人が出て来る。そして妹が


「まって、お兄!」


「ゆ、」


「きゃっ!!」


妹さんと俺はなんとか信号に行く前に止めることに成功した。


「危なかった。」


「お兄様!!大丈夫ですか!!」


「あー、無事だ。そして回避成功だ」


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