第19話 魔女の遺産

 ブラックウッド。この村には古くから伝わる呪われた場所がありました。森の深い奥深くに住むとされる「影の魔女」が、村人たちに呪いをかけていると噂されていました。


ある日、冒険心旺盛な若者、クリストファーが村に訪れました。彼は魔女の伝説に興味津々で、夜の闇に紛れて森へと足を踏み入れました。すると、彼は不気味な青い光を放つ小さな洞窟を見つけました。


洞窟の中でクリストファーは、見知らぬ言語で書かれた古びた書物を見つけました。それは「影の魔女の遺産」と書かれていました。彼は興奮と同時に恐怖を感じながらも、書物を読み始めました。すると、彼の周りには不気味な影が現れ、闇の中から声が聞こえてきました。


「私の遺産を受け継ぐ者よ、汝に力を授けん。しかし、この力は呪いとともに訪れん。力を使い、村に再び光明をもたらせ」


クリストファーは遺産を受け入れ、影の魔女の力を手に入れました。しかし、その力には強大な呪いが宿っていました。クリストファーは力を解放すると同時に、村人たちに不幸が訪れ始めました。村は不穏な雰囲気に包まれ、人々は病気や災厄に見舞われました。


クリストファーは自らが引き起こした呪いに苦しみながらも、影の魔女の力を封じ込める方法を探しました。しかし、彼が辿り着いたのは、自らの命を犠牲にしてでも呪いを断ち切ることでした。彼は最後の力を振り絞り、影の魔女の呪いを絶ちましたが、その代償として彼の命は永遠の闇に包まれました。


村は静寂に包まれ、かつての光明は完全に失われました。クリストファーの遺産は呪いとともに村を覆い尽くし、ブラックウッドは闇に呑み込まれたのでした。

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