38位・「配達あかずきん―成風堂書店事件メモ」大崎梢

 元書店員が描くミステリー小説。


 あらすじは「しっかり者の杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵が働くのは、駅ビルの六階にあるごくごく普通の書店・成風堂。近所に住む老人から渡された「いいよさんわん」という謎の探求書リストや、コミック『あさきゆめみし』を購入後失踪した母を捜しに来た女性に、配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真……。杏子と多絵のコンビが、成風堂を舞台にさまざまな謎に取り組んでいく」というもの。


 視点人物は「しっかり者の杏子」なのだけれど、謎に対してはワトソン役で、ホームズ役はアルバイトの「多絵」が務める。

 書店の裏側を知りつつ、本屋さんならではの謎に頭を動かす。とても良い読書体験だった。

 個人的に大崎梢がミステリーと見せかけてラブストーリーにしている作品が少女漫画を真正面からやっていて良かった。

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