第1587話

 闇魔法の賢者かー。遠いな。闇魔法レベル7のスキルを見ながらそう思うのだった。またもや、ここでもスキルレベルの壁が立ちはだかるか・・・。まあ、この場合は使っていない俺が悪いまでもある。


(バリアの検証とグラビティーの検証が先だな・・・)


 バリアの検証は、ドームを作り出す位置を決めることができるのか自分が中心かの問題。消すタイミングは、自分で決めれるのかそれとも時間制限なのか。ドームが現れる際に敵が近くにいるとどうなるのか。そして、ドームの大きさと形、数だ。


 訓練場が追い出されたことで、その足でダンジョンにやってくるのだった。検証をする上でやはり5階層のオークが役に立つ。


 その前に先に検証できることをしておくのだった。結果、バリアを出してから、消すまでは時間制限と自分で消す、両方のパターンがある。時間制限以内であれば、自分で消すことができるのだった。バリアの中で抵抗されると魔力が消費されるため、制限時間が減るため早く解放される。


 もしバリアで囲まれた場合は壁を攻撃して破壊するのが最適解のようだ。結界術とそう大差はない。大きさの調節は不可能だった。そして、出す位置の調節はあまりできない。数が多いほどやりにくくなる仕様だった。


 大きさの調節ができないため、出す本人もバリアの中に入れるか、入れないかの選択が入るのだ。もし、入れるのならバリアを作るのが簡単になる。だが、入れずに敵を隔離するためのバリアはやりにくい感じだった。


 バリアが生成される際に、実態を持ったものがそのバリアが発生するところにいれば、バリアが作られないという性能をしているのだ。バリアで腕が切れるのか、バリアに穴が開くのかを検証していた時にこの仕様を見つけるのだった。


 使いにくいな・・・。だが、35階層の動かないオブジェクトを守るためのボス階層なら、大きく役に立つだろう。まあ、殺す力がなかったら詰むのだから、あまり意味はないか。


 結局、バリアに攻撃性を求めるのは無理だ。バリアやシールドは守るためにある感じだ。広範囲魔法を使ってくる敵に対しての対策くらいしか思いつかないな。


 作り出したバリアの大きさの変化もできない。バリアを収縮させて圧死とかを考えていたが、この案も死ぬ。ドームとドームを合わせることはできるようだ。見た目は集合の共通部分のような感じだ。これがあればまだ何とかなるか?


 と、一人でできる検証は終わり、オークと戦う。単純に使うのなら、1つだけあるな。


 地面に魔法を設置し離れる。そしてバリアを作り出し、オークとその魔法を囲い込むと同時に爆破だ。擬似的に閉じ込められた空間になることから、爆破の威力は大きいものになるだろう。爆風も外に漏れていないことから脅威となる。


 自分がそこに入った時には集合の形をしたバリアを作ることで体を守ることができる。天井がもっと低ければダメージも上がっていただろう。バリアが切れるまで待つか、攻撃を警戒して隅の方で固まるかをされる爆破によるダメージは薄い。うまくいけばハメ技のように強いって感じだ。


 十分な威力を出すのなら空中にファイヤーボールを並べて、連鎖爆発をさせるとかか?そんな魔法が大量に用意されているところに飛び込んでくるわけがない。かといって何もない状態にバリアを発動させてから魔法を作ろうとしても、それだと俺が中に入っていることになり、被害を受ける可能性がある。


 一瞬だけ作って敵の後衛からの魔法を防ぐことや、援護がない状態を作り出すことが目的といった場面には使えそうだ。パーティー戦闘で意表をつくための魔法ってのが俺の考えだった。まあ、俺には意味のない魔法だな。

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