第23話 ママ登場
「あやせ、弟くん達、結構やるじゃん」
「そうだねー」
私達三年生の決勝戦は翔くん達一年生と柚葉ちゃん達二年生の決勝戦が終わってから全員の注目が集まる中、行われる。
「翔ならこれくらい当たり前だ」
「有志が認めるなんて、素晴らしい後輩だわね」
「お前の幼馴染でもあるだろ」
「そうそう、小さい時は新凪お姉ちゃんってなんて言って可愛かったの」
「その面影は全くないな」
「でしょー、今なんてビッチ先輩だよ、ホントクソ生意気」
「そうだな」
フジくんと新凪ちゃんはかなり距離を詰めて座っている。
「50点目!」
「しょーくんナイス〜!!」
「ななちゃんも頑張れ〜」
「翔!七瀬に譲れ!」
翔くんがダンクを決め、スコアが50ー47になった瞬間、私が叫ぶと後ろから両親の声が響き渡る。
私は振り向く。
「あやちゃーん」
「来るなら午前中からくればよかったのに」
「いやね!ママもホントはそうしたかったんだよ!
翔くんのピッチング、ななちゃんのプレーは隅々まで見たいし!
でもね、パパと恵が午後からじゃないと無理って言うからね、しょうがないの!」
腕をブンブン振り、走ってくるママは苦笑いを向けると顔を近づけて来る。
「すまん、真昼」
「許す〜」
「謝るとこかな...」
「真昼を待たせたからな、美人は待たせてはいけないんだ」
「めっちゃラブラブw」
「微笑ましいんじゃないかなw」
「まぁ確かにあやせママはめっちゃかわいい」
「それは同意」
パパが深々と頭を下げるとママは満足そうに頭を撫でる。
パパは満足そうに顔を上げるとニヤッとする。
当然周りの反応は様々だ。
「あれ?恵さんは?」
「恵はそっち」
ママが向こう側のスタンドを指差すと恵さんは手を振る。
私は振り返しながら驚く。
ーー!?
────────────────────
「はーい、注目!柊柚葉のママ、柊恵でーす!!」
「な、なんでチアなのよ!」
「かわいいから良いだろ」
「アンタバカァ?」
ママは確かに高校時代チア部でかなり有名だったけど、それは20年以上前の話だ。
まぁ見た目は25歳くらいに見える程に若々しく、スタイルも抜群でアタシと並んでもお姉さんお綺麗ですねと度々言われるほどに自慢のママだが、35を過ぎてチアは正気じゃないどころかヤバすぎる。
「はよ、脱げ」
「やーだ」
「ファイト!ファイト!柚葉!」
アタシはため息を吐き、睨んだ。
だが、ママは更にキレを増す。
ーーもうやだぁ
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「フフッ、ゆーちゃん、彼氏出来たお顔してる。
翔くんかな」
私はニヤつきながらゆーちゃんを見つめる。
ーーホント、最高に可愛いんだから♡
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