第15話 行列

彦徳は智とラーメン屋に並んでいた。


この店のラーメンはとにかく旨い。

でも営業時間が短く、店内も狭いので30分位は

毎回必ず並ばなければならない。


「やっぱり今日も並ぶんか」


空腹の智は少しため息交じりにそう言った。


「まぁ、数十分だし話しながら待とう」


彦徳は智の背中をポンと叩き、話し出した。


「そういえば優理さん元気?」


優理は智の姉で、現在大学生で一人暮らしをしている。


「あぁ、先週電話あって元気だってさ」


その時、前に並んでいる男二人組の会話が聞こえてきた。


「…みこちゃん元気?ちょっと変わってるよね、みこちゃん」


彦徳はまぁ同じ名前なんだろう、と思っていたが、続けて


「そうなんだよ、前も変な人形部屋に持ってきてさぁ」


彦徳は少し違和感を感じ、前の男二人組を見た。


どことなく背丈も体格も服装も自分達に似てるような…、


確認のために隣の不思議そうにしている智を見た。


「どうしたん?」


智が尋ねるが、彦徳は小声で


「いや、なんか前の人たち俺達に似てない?」


「お!席空いたって!店入ろう彦徳」


丁度順番が回ってきた様だ、店に入ったら智に確認して

もらおう。


彦徳は店に入ると、先ほど前に並んでいたであろう

男二人組はいなかった。


智は「腹減った」と満面の笑顔でカウンター席に座った。

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