第1章:パート2

第1章:パート2


数秒前まで緑色のものがついていて、落ちていた理由がわかった。 卵から孵化したからだ。 落ち着いて、何が起こっているのか計算し直さなければ。 怖くて、まだ何が起こっているのか信じられないけど、生きていたいなら考え直さないと。 ああ......ああ......。 信じられない! 僕は今コウモリで、自分がどこにいるのかわからない。 これが普通なのか? 明らかに違う! これは僕だけに起こっていることなんだ!


落ち着け! 落ち着くんだ!


うーん...。 どこを見ても、場所はいつも同じだ。 私は水平と垂直に大きく伸びた洞窟の中にいる。 その上、私の祖先と思われる巨大なコウモリが2匹いる。 私の兄弟と思われる者たちの大きさに比べて、彼らは巨大すぎる。


もちろん、彼らそっくりなのだから、私だって同じだ。 もし彼らが私だとしたら、なぜ私の顔色は違うのだろう? 彼らは明るい茶色に白い色素が混じっているが、私は真っ黒だ。 真っ黒かどうかはわからないが、翼と脚を見ればわかる。 私の外見については、今はちょっと関係ないので、後でゆっくり見ることにしよう。


でも、長い耳と頭に生えた2本の角が気に入っている。 それが好きなんだ。 とてもかわいく見える。 私は小さな手で自分の頭を触り、本当に角が生えているかどうかを確かめる。 うん! そう! やった! そうだ! 僕には角がある。 肌の色が違えば角も同じに見えるかと思ったが、どうやら違うようだ。 安心した。


まだここに来て数分も経ってないのに、もう気が変になりそうだ。 僕は変人なんだから、見た目なんて関係ないはずなのに、なんで角があるかないかなんて気にするんだろう。 でも......。 正直に言うと、かわいく見える。 くだらないことはさておき、僕はコウモリのように生きなければならないようだ。 私の記憶が正しければ、ほとんどのコウモリの仲間は夜になると一斉に餌を求めて出てくる。


少なくとも私は、適者生存の家族争いの中で生きているわけではない。 コウモリのことはよく知らないが、幼稚園か小学校で観た動物ドキュメンタリーのおかげで、多少の知識はある。


ああ、忘れるところだった! 数秒前、強い頭痛に襲われたとき、その前に起こったいくつかの映像が脳裏に浮かんだ。


前世の記憶といってもいいのだが、僕にとっては自分の世界にいたときから、もっと正確に言えば死んでから、ほんの数秒しか経っていないのに、それを遠い記憶と呼ぶのは変な感じがする。 そう、私はどうやら別の世界からやってきて、死んでしまった人間なのだ。 主人公が異世界に転生する漫画や小説に出てくるような典型的な人間になっただけで、ただの人間に生まれ変われるほど運が良くはなかったのだ。


ブー! ブー! この筋書きはもう嫌だ。 私は何になるかを選ぶ機会すら与えられず、モンスターだらけの洞窟に放り込まれた。 悪気はないんだ、モンスターのお兄さんたち、と私は彼らを見ながら言う。 残念ながら、こんな幸運なのは私だけだ。 この状況にため息をつかないわけにはいかない。


美しい王女か、せめてデーモンドの領主として生まれたかった。 でも違う! ただ誰かが、私だけを、コウモリとして新しい人生に生まれ変わらせるというクレイジーなアイデアを思いついたのだ。


しかも、そういう物語ではOPとかで生まれてくるはずなのに、私はただ美しくてかわいいコウモリなんだ。


冗談だよ、冗談。 人間じゃないけど、このセカンドチャンスは嬉しい。 気分の良さよりも、私には選択肢がないし、文句を言ってもいいことはないから、何があっても生き延びて、このかわいい小さなモンスターたちの新しい家族と一緒に生きていく。 それに、私はとても反社会的な人間だから、お姫様になったり、ただの人間に戻ったりしたら、パニックや不安、不快感をたくさん味わうことになると思う。


コウモリは夜になると出てくるし、私が見る限り、背景にたくさんの光が見えるから出口が見える。 そうでなければ、光があまり入ってこないはずだ。 ママとパパが昼寝から目覚めるのを待った方がいい。


せめて子供たちの可愛い顔を見るために起きるべきだったのでは?


お願いだから! それで親を名乗ってるんだから。 へっへっへっへ、私は彼らを親と呼ぶが、本当に親かどうかは誰にもわからない。 うーん、まだ寝ているのは、子供たちが全員卵から落ちていないからかもしれない。


...


そうだよ、子供を屋上で孵して、あんな風に落とすなんて、どんな親なんだ? 卵の中から出てくる緑色のスライムは、私たちを落下から守ってくれるものだと思うけれど、親同士がそんなことをするのは間違っている。 家族でいるのなら、お互いに敬意をもってきちんと接しよう。 どうしたらいいんだろう、もう自分に怒鳴ってるよ。 私ならその場を放っておくけど、あんなところで漂流なんてしたくないし、両親と同じ大きさのものがいるかもしれないなんてなおさら知りたくない。 人間から見れば私はちっぽけなのかもしれないが、私から見ればすべてが巨大なのだ。


ところで、私はどうして死んで生まれ変わることになったのだろう。それとも、人生のサイクルなのだろうか? ハーバー ハーバー... どうして死んで生まれ変わることになったのか、思い出してるんだ。 ああ、わかった、わかったよ! 私はクラス全員と遠足に向かうバスの中にいた。


旅行は順調だった。 私は窓側の席で、隣の席には友達のウィルがいた。 友達? 友達? 私には友達なんていなかったし、ただの同席者、それだけだった。 男たちは、なぜかいつも私に話しかけたり、何でも手伝おうとしたりしたが、私を助けたり好きにさせるどころか、私を困らせるだけだった。 要するに、めんどくさい男たちだった。


一方、女の子たちはいつも私を困らせたり、悪ふざけをしたりして、何もすることがなかった。 まあ、学校での扱いはあまり気にしていなかった。 結局、家に帰るといつも自分の部屋に入り、本を読んだりゲーム機で遊んだりしてすべてを忘れていた。


反社会的なゲーマー少女としての私の素晴らしい生活はさておき、私とクラス全員がそのバスに乗っていた。 すべてがうまくいっているように見えた。 しかも、窓から見える街並みが超幸せだった。 バスの中は、他の生徒たちが騒いだり叫んだりしていた。


しかし、私が外を見るのをやめて目を内側に向けたとき、みんなの時間が止まった。 実際はそんなことはなかったのだが、その瞬間はそう見えた。 覚えている。 先生は他の生徒を落ち着かせるために座席の間を歩いていた。 私の同席者は、前後の肘掛け椅子の友人と話していた。 彼はとても社交的で、誰とでも仲良くなれる典型的な生徒だったのを覚えている。


うっとうしい女の子たちは、後ろの肘掛け椅子からビッチみたいに叫んでいた。 また、先生が圧倒された顔でバスの前の方を見た瞬間も覚えている。 そしてまあ......! というのも、その数秒後に「ドーン」という大きな音がしたからだ。 そして、周囲に明るい光が溢れ出し、一瞬にして目を閉じたように真っ暗になった。 こうして私はこの場所にたどり着き、人間とはまったく違うものに変わってしまったのだ。 おかしいでしょ?


私はますます、出来の悪い小説の中にいるような気がしてきた。 もし本当にそうなら、作者と話をして、彼に報いを与えたい。


-つづく

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