第26話「愛しいお気に入りの毎日」

「今日も1日よろしくな〜!ノエル!!」

「お願いしますね、ソレイュさん!」

仕事はだいぶ覚えたけど、お客さんの顔が覚えられない!

テシリィトを並べて…。

「サリュ〜!」

「おう!コリィヌ!」

「コリィヌさん、ヴォン・ジュゥ!」

ヴェルトのタヴィルは、オランジェの扉の奥だったよな?

オランジェの扉を開けるとソレイュさんのシャトゥが広がっている。

次々にいろいろな食材をソレイュさんは、運び入れている。 

サモェナァの乾燥させた物やジョルジョ肉が吊るしてある。

壁にはいろんな種類のプラパン、棚にはプレィティナ類…オゥベルには炎が焚べてある。


「ノエル!もう全部覚えられたの?」

「それが全部は…。」

「もォう!駄目ねぇ!

…今度の休み、覚え方を教えてあげるわ!!」

パトン バトン

「ヴォン・ジュゥ!ルノゥさん」

「ヴォン・ジュウ!ノエル!

今日もヴェルだねぇ!」

「ェヘヘ。…今日は、ショコラティリィヌとクロサンルのオェフサンディがおおすめです。」

「じゃあ、カフィノヮルとクロサンルをもらおうか!!」

「ウィ。」

「ヴォン・ジュウ…ノエル…。」

「あ!ヴォン・ジュゥ!ドレィさん!!

今日は何にしますか?」

「…じゃあ、今日はショコラティリィヌで。

…後、カフィ・ノヮルも下さい。」

「ウィ。」

店の中を行ったり、来たり。

「空いているお皿もらいますね!」

外は、コリィヌさんが見てくれている。

「あぁ!待ってくれ。その皿は、下げないでくれ!

バセットによく合うんだぁ!」

「ウィ!」

ん?

ソレイュさんが手招きしている。

「忙しくなっちまう前に昼、食ってくれ。」

「行ってきまぁす!」

今日のお昼は何かなぁ!

わぁあ!ラタトゥレだぁ‼︎

ん、んん‼︎ぉ、美味しい‼︎ソレイュさん天才か⁈

凄く、バセットに合ぅぅう‼︎

アノお客さんの言ってた料理ってコレの事だったんだぁあ!

おかわりしたいけど…恥ずかしいから我慢だ。


ザヮザヮ

「美味しかったです!」

にかぁあ

ソレイュさんの笑顔…!

既に忙しくなってる…。

「ねぇ!ノエルぅぅう!」

「今、行きまぁぁぁす!」

「カフィ・ノヮルちょうぉだい!!」

「ウィ。」

「ノエルぅぅぅぅぅう!」

「お待ちくださぁぁぁあい!」

「カフィ・ノヮルと今日のおすすめね!」

「ウィ。」

「ノエル、次コレ3番に頼んだ!!」

「わかりました!!」

3番は、右の奥から2席目だ。

「お待たせしました。トマテ・ラグゥです。」

「ノエル聞いてぇ!甥っ子が、名前を呼んでくれるんだけど…上手く言えてなくてすっごく可愛いんだぁ!!」

「へぇ。」

確か、この人はフランソワさん⁈

甥っ子いたんだぁ…。

ぁ、あの人のお皿も空いてるなぁ…。

「残さず食べてくれて、ありがとうございます。お皿下げますね。」

「美味しかったとソレイュに伝えておいて。」

「わかりました。」

あ、コリィヌさんだ。

「ァビエントォ!いぃ、ノエル!今度の休み約束だからねぇ!」

「ァビエント!ありがとう、コリィヌさん!」

「明日も頼むな!コリィヌ、ァビエント〜!」

「あ、さっきのお客さんが今日も美味しかったって喜んでいました!」

「そっか〜!よかったぁ…それより、さっきの今度の約束ってなんだよ!?」

「あぁアレは、コリィヌさんが料理の覚え方を教えてくれるって!優しいですねぇコリィヌさん!どうしてこんなに優しくしてくれるんでしょう?」

「はぁ…ははぁん、なるほどな〜コリィヌには可愛いニゥムができちまったみたいだな!」

にかにかぁあ

「え、どう言う意味ですか?」

「まぁ、ノエルにも可愛いニゥムか、リィネ出来たらわかるさ!」


パトン

キイッザァア

バトン

「プリィは、嫌だなぁ!」

「でも、たまにはアノ翼で宙を舞ってと貰わないと困る。」

「ヴォン・ソワァ!!」

「「ヴォン・ソワァ!」」

モロゥさん、ガルシアさんお疲れ様です!」

「俺、ブラン・シェロね。」

「俺は、ルジュ・ェを。」

「ウィ。」

「お待たせしました。カッピァをどうぞ。」

「ぁ、後。サモェナァのテリネもくれ。」

「ウィ。」

パトン

キィッポツポツ

バトン

「ヴォン・ソワァ!コメットさん」

「ヴォン・ソワァル!ノエル!もう、この店には慣レた?今日で、7日目だっけ?」

「はい、でもまだお客さんの顔が覚えられなくて…。」

「そうなんダ?でも、大丈夫デしょ!?

みんな優しいし、話しかけてくれるョ!1人を除いてヮ。」

モアさんが思い浮かんでしまったぁ…。ぁわゎ、そんな風には思ってないのに…。

「ノエル〜!今日はもう終わっていいぞ。」

「はぁい!わかりました!」


「今日もクロサンル大人気でした!」

「ルゥにお礼しないとなぁ〜!」

「ショコラティリィヌあげたらどうでしょう?!」

「えぇっ!!パティスェ〜ルにかっ!?」

「大丈夫ですよ!!みんな美味しいって言ってくれるじゃないですか!!」

「…ぅ〜ん。考えとく。」

「考えといて下さい!

…じゃあ、お先に失礼します!!」

「おう!明日も頼むな!!」

にかぁあ

あぁ、ソレイュさんその笑顔眩しいです!

「ァビエントォ!ノエル!!」

「ァビエント!コメットさん!!」


いつか、ソレイュさんみたいになれるかなぁ…?

料理は作れないけど…。

料理の良さをわかって貰えて。

お客さんに元気を与えられて。

お店にいる時間を宝物の様に感じて欲しい…。

でも、どうすればいいかなぁ…?

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