第17話「酔いどれの相手」

ーー?? 

店先にいたソレイュがこっちに気付いた。

誰かと話しるのか…眼で「何か」を必死に訴えてる。

「あ〜!モアだぁ〜!やったぁ!モアに会えたぁあ!」

ーー…面倒くさい…酔っ払い。

「何か」とはこの事だったのか…。

見ると瓶が2本空いてる。

「モぉアぁ〜!!俺、今日1人なんだよ〜!俺と呑んでくれよぉ〜!!」

ーー''ッ。

「お願いだからぁ〜!」

ーー泣きつかれも…。

後ろでソレイュは呆れ顔。 

絡まれてる所を他の客が眺めてる。

''〜〜ッ。面倒くさい…。 

「さぁ、座って、呑んで!!ソレイュ、カッピァァアッ!」 

ーーはぁー。

この酔っ払いめ。

相当、酔っ払てるな…。


待って。

待って。

どうしてこうなった⁈

あれから、何度も同じ話をされるわ。

昔の話をされるわ。

仕事の細かい話から、愚痴まで聞かされるわ。

太腿、撫でられるわ。

散々。

で、太腿は定位置になった…。

そこに手を置いて良いとは言った覚えがない。

「それでね、それでね。モ…アァ…。」

ーー寝たっ⁈

やったぁ‼︎解放されるー‼︎

「寝ちまったか?」

 あぁ。

「どうしよ?とりあえず、中に運ぶの手伝ってくんねぇ?」

 あぁ。

ーー……ソレイュからも話を聴いておくか。

 ソレイュ、ェリントン社ってどんな所?

「あ〜最近、大きくなってて…テリネとかソシスゥ扱ってる所だなぁ。俺もよく使ってる〜。だから、頼まれたんたけどな〜!」

 へぇ。

「そこのニァンを探して欲しいってデュティだろ??

どうだ?ソノ、 ニァンは…見つかりそうか?」

 まだなんとも。

ーーもう帰っていい?

「そっかぁ…見つかるといいなぁ〜。

ぁ、モア?!もう、帰るのか?俺は、アンドレさんが起きるまで待つけど?」

 あぁ。あ、明日から仕事でしばらく来ないから。

「来ないのか…。」

ーーぃや、なんの顔。  

 ァ・デュ。 


店を出て、右に曲がって、裏路地に入る。

深緑の扉を開けて、螺旋階段を登る。

ーーあ。

自分の階だけ灯りが切れてる。

部屋の扉を開けて右側の扉に。

ベッドに倒れ混んで、そのまますぐに眠むった…。


振り返る誰かに。

「早くおいで。」

そう、言われた。

手を伸ばして、追いかける。  

追いかける。

走っても。 

走っても。 

手は届かない。

「早くおいで。」

また言われる。

走って。

走って。



追いかけて。

追いかけて。

手を伸ばしても、届かない。

遠く、遠くなってく後ろ姿。

消えてく。

消えてく。

霞んでく。後ろ姿。

霞んでく。

霞んでく。

愛しい「あいつ」の後ろ姿。

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